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Fashion source: Daily Journal

『世界から猫が消えたなら』川村元気 を読む。

2013.03.05 13:49

東横線の電車のドアー広告になぜか釘づけになり、
買おうと思って、iPhoneメモ帳に打ち込んだ日。
妹に「『世界から猫が消えたなら』読んだ?」と聞かれたので、
こちら、相当宣伝されている本なのですね。

「打ちのめされた。 byニューヨークタイムス」みたいな感じで、
各界著名人の推薦コメントがズラリのところが驚きました。

中には、「哲学書だ」なんてコメントもあったりして、
今、『ひとみずむ5』を制作中で、「哲学」というのは、
キーワードだったりするので、参考にさせていただこうと思いました。




あらすじとしては、余命7日の郵便局員が、死ぬまでにしたことが書かれています。
死を宣告された後、突然現れた悪魔との駆け引きを通じて、
今まで気づかなかった事実を発見していくのです。

今まで気づかなかった、「事実」というものは、
心の目で見えた「愛」のことだと、私は解釈しています。
母親の愛がいっぱい詰まった物語でした。


最初、とても軽いタッチで書かれていて、
きっとこれは、最初はそうしているのにはわけがあるんだろうなと思いながら
読み進めているうちに、知らないうちにやはり物語の雰囲気が変わっていて、
予定調和的ではありましたが、やっぱり涙してしまう場面がありました。
そして、最後の方は、一気に駆け抜けて読み終えました。
さらっとしているけど、あたたかいです。


死ぬ間際になって、「もっと早く気付いておけばよかった」的なことを、
今、生きている間に気づかせてくれる視点を提供してくれる物語です。
これを読んで、「ハッ」とするひと、きっといるのだと思います。
読みながら、一緒に考えたり、見つめるまなざしが変化したり、
相手を思う気持ち、相手に伝える言葉が変化したりするかもしれません。
凄く読みやすいので、家族で、とか中学生でもといった感じでした。


銀座三越の9Fの「銀座テラス」で読んでいたのですが、
バックミュージックが、たまたま、この本のテイストとマッチして、
より、涙を誘発されてしまったのかもしれません。
イージーリスニングのジャンルで、ピアノがポロンポロンと流れていました。

ひとみ潤う本でした。