『世界から猫が消えたなら』川村元気 を読む。
東横線の電車のドアー広告になぜか釘づけになり、
買おうと思って、iPhoneメモ帳に打ち込んだ日。
妹に「『世界から猫が消えたなら』読んだ?」と聞かれたので、
こちら、相当宣伝されている本なのですね。
「打ちのめされた。 byニューヨークタイムス」みたいな感じで、
各界著名人の推薦コメントがズラリのところが驚きました。
中には、「哲学書だ」なんてコメントもあったりして、
今、『ひとみずむ5』を制作中で、「哲学」というのは、
キーワードだったりするので、参考にさせていただこうと思いました。
あらすじとしては、余命7日の郵便局員が、死ぬまでにしたことが書かれています。
死を宣告された後、突然現れた悪魔との駆け引きを通じて、
今まで気づかなかった事実を発見していくのです。
今まで気づかなかった、「事実」というものは、
心の目で見えた「愛」のことだと、私は解釈しています。
母親の愛がいっぱい詰まった物語でした。
最初、とても軽いタッチで書かれていて、
きっとこれは、最初はそうしているのにはわけがあるんだろうなと思いながら
読み進めているうちに、知らないうちにやはり物語の雰囲気が変わっていて、
予定調和的ではありましたが、やっぱり涙してしまう場面がありました。
そして、最後の方は、一気に駆け抜けて読み終えました。
さらっとしているけど、あたたかいです。
死ぬ間際になって、「もっと早く気付いておけばよかった」的なことを、
今、生きている間に気づかせてくれる視点を提供してくれる物語です。
これを読んで、「ハッ」とするひと、きっといるのだと思います。
読みながら、一緒に考えたり、見つめるまなざしが変化したり、
相手を思う気持ち、相手に伝える言葉が変化したりするかもしれません。
凄く読みやすいので、家族で、とか中学生でもといった感じでした。
銀座三越の9Fの「銀座テラス」で読んでいたのですが、
バックミュージックが、たまたま、この本のテイストとマッチして、
より、涙を誘発されてしまったのかもしれません。
イージーリスニングのジャンルで、ピアノがポロンポロンと流れていました。
ひとみ潤う本でした。