文庫:『なんでもアリの国イギリス。なんでもダメな国ニッポン』
何気なく駅前の本屋で小説でも1冊買って出掛けようと思い、すーっと小説のコーナーへ行ったのですが、こちらのエッセイがなんとなく目に入ってきました。本屋に入って1分でもうお買い上げしていました。
『なんでもアリの国イギリス なんでもダメの国ニッポン』 山形 優子 フットマン (著)
(単行本 けっこう笑えるイギリス人)
昨年の夏、日本で知り合った英国人が、また仕事で日本に来ているので、タイムリーというのもありました。
先日、 「なんで、日本人の子供は、土曜日も学校に通っているの?」という、たわいもない質問をされて、返答に困りました。私が子供の頃は通っていたけれど、2002年に週休2日になったのに、何かあったのでしょうか?
また、「イギリスは、医療費は無料だけど、それに比べて、NYは高いよ~。日本はどうなの?」という話とか。
ときたま、文化比較論のような会話が出てきていたので、ちょっと気になったのもあります。
しかし、彼はNYに20年住んでいるし、アメリカ代表のチームを引率しているので、ほとんど米国人かもしれませんが。いや、そういう自由さが、英国人なのかもしれませんね。
英語がわかりやすく聞こえてくるのも、やはり英国人だからなのかと、思ったりもします。この本の「はじめに」には、英国人との出会いのシーンが書いてあり、作者も発音に関して、惚れ惚れしたということが書いてありました。そう、ここのつかみが、かなり面白くて、最後まであっという間に読ませるなぁと、ライティングに感心してしまいました。
さて、この本は、英国に30年住み、英国人旦那と3人の娘さんを持つ方が、書かれた本です。
読み始めから、とても痛快で、読んだら止まらなくなりました。イギリスと日本のいいところも、どうしようもないところも、作者の主観で、意見がどんどん書いてありました。
結局は、日本人に、「日本人らしく生きようよ!」という叱咤激励の本だと思いました。
アマゾンのレビューをみると、ほとんどが、日本を批判しているというような意見が多そうでしたが、私は、いいか悪いかは、別としても、確かにそう見えたりするなと、ありのままに捉えながら読みました。
途中、胸を打たれたところもあって、「孤独の中でこそ、本物の夢は培われる」という一文に思わず涙まで流してしまったほどです。
きっと、作者のおっしゃることは、日本人もどこかで日本人について考えたことのあることばかりだとは思います。しかし、他国と比較してみることで、もっとくっきり、はっきり、日本人が見えてくるのは興味深いです。日本人本来の力、元気の出てくる本です。
私も、歳を重ねるごとに、実は、日本人っぽくなってきているのかなと、そうなっていくのは、結構好きな現象です。それは、集団に合わせるとか、他人と比較するとか、そういうぽさではなくて、本質的な日本人らしさが、出てき始めている感じがしています。
面白い本でした。