『チョコレートドーナツ』(原題:ANY DAY NOW)観賞。
今年見逃してしまった映画が、渋谷のアップリンクで幾つか上映されていることを知って、本日は『チョコレートドーナツ』(原題:ANY DAY NOW)』と『フランク』を鑑賞しました。
アップリンクは、初めて訪れた映画館でした。レトロな雰囲気を醸し出していて、学校の視聴覚室を彷彿させます。小さい劇場なのですが、映画が始まるころには段々と真っ暗になり、集中するにはスクリーンの大きさも関係ありませんでした。
『チョコレートドーナツ』(原題:ANY DAY NOW)
1970年代のアメリカ・ブルックリンで実際にあった実話をもとに作られています。障がいを持ち、母親に育児放棄された子どもと、家族のように過ごすゲイカップルの愛情を描いた作品です。
ショウダンサーのルディーと弁護士のポールがゲイカップル。子供のマルコ役は、実際にダウン症でもある俳優が演じています。ルディー役には、バイセクシャルを公表しているアラン・カミング。劇中での魂が込められた歌声に心揺さぶられます!
まさか、ゲイの人が同じアパートに住む障害のある子供のことを見捨てることができずに、育てる決意をするとは!しかし、人の子供を育てることは、法律的に許されることではありません。しかも、ゲイカップルです。母親は、薬物で逮捕されてしまっていたので、弁護士のポールが、母親に服役中だけ、親権を持たせてくれないかと、刑務所へ交渉しにいくところから、慎重に始まります。
裁判ではゲイッカプルであることを隠したことで、育てること可能になったのです。それからキラキラした日々が続き、1年間愛情をかけて育てたけれど、ゲイカップルを世の中的には偏見を持ってみる1970年代。会社の上司に怪しまれて、通報され、またマルコは、施設へ戻されてしまいました。それからこの映画は、裁判シーンが主になっていきます。
母親に愛情をかけられなかったマルコが、ゲイカップルの愛情によって、学校ですごく成長したと証言する先生。ゲイカップルとマルコのインタビューを試みた女性は、裁判で「愛の事実」を語るのですが、進行役によって、段々と「マルコの幸せ」よりも、「ゲイカップルは子供に悪影響を与えているだろう」とそこばかりにフォーカスされ、社会の偏見が、「真実の愛」をぶち壊そうとしていました。子供を引き取ることの難しさ。それは愛だけでは、ダメだということ。それは法的にはそうですが、「真実」が理解されないことにイライラとしてきます。
時は過ぎ、仮釈放の母親の元へと、マルコは戻らされるのですが…。
血がつながっていなくても、どこに愛情があるのかは、子供にはわかっています。母親の家に戻らされることになったマルコが「僕のお家じゃない」と何度もつぶやくシーンは印象的です。物語の結末はどうなるのでしょうか…。
愛のある人のところに、たくさんの子供が迎えられるといいなと、本当に願ってやみません。
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