イチゴの収穫開始からの管理について
日頃より茨城生科研に対し、多くに皆々様から多大なる御支援とご愛顧を賜り誠に有難うございます。
11月も下旬に差し掛かり、朝晩はめっきり寒くなってきました。
また、コロナ感染症の第八波が騒がれてきているのと、今年はインフルエンザの流行も懸念されております。
弊社HPをご覧の皆様におかれましても、健康には十分に注意していただきたいと思います。
さて、いろんなところからイチゴの初出荷の便りが聞こえてきております。
毎年この時期に更新をさせて頂いており、内容も大きくは変わっておりませんが、今回も「収穫開始からの管理」についてアップして参りますので、よろしくお願いいたします。
今年のイチゴの状況ですが、秋の高温多湿によりウドンコ病やハダニ、アブラムシなどの発生している圃場も多く見受けられます。そのため、病虫害の防除、予防は例年以上にしっかり行う必要があります。
今年の冬ですが、予報では寒くなりと言う事ですので、本格的な寒さに向けた管理をしっかりと行うように心がけてください。
なお、一部先月更新した内容と重複する点がありますのでご了承ください。
「葉かき」について
葉はイチゴの生産工場です。葉のかき過ぎには十分注意してください。
葉が少ないと品質や収量の低下、なり疲れなどの原因になります。適正枚数でしっかり管理してください。また、今年も脇芽が多くなりそうです。わき芽が多いと春以降の果実の品質低下や病害虫の多発の原因になります。少なくとも収穫が忙しくなるころまではひと芽で管理してください。
理想の展葉枚数の目安
ポット育苗の場合 出蕾期 7~8枚 開花期 8枚以上 収穫期 10枚以上
無仮植育苗の場合 出蕾期 4枚 開花期 5~6枚 収穫期 10枚以上
「温度管理」について
●地温が20℃以下になると根の発生・伸張は止まってしまいます。
●日中20℃以下になると生育が停滞し、奇形果や株疲れの原因になります。
●午後の低温管理は、なり疲れの原因です。午後は25℃をキープしてください。
●朝の温度の上がりすぎや多湿はガク焼けの原因にです。注意してください。
温度管理の目安
早朝~ハウス内の温度が20℃以上になったら、内張りを両サイド全開にして光を取り入れ地温を確保してください。
午前中~25℃以上まで気温を上げてから換気を行い、午前中は20~25℃で管理するようにする。ガク焼けは葉水の乾く前に急激に温度を上げ過ぎると発生します。
☆30℃以上では光合成が停滞します。
午後~午後は午前中よりもやや高い温度25~30℃で管理する。内張りは陽ざしのあるうちはなるべく開けておき、光線を取り入れて地温を上げて、夜温の確保に努める。
☆陽ざしのあるうちは、ハウス内を20℃以下にしない。
夜間~8℃前後を確保する。ハウス内の温度が5℃を下回る場合は、午後の温度をやや高めにし、内張りカーテンも早めに閉めるなどして温度の確保に努める。
「なり疲れ予防と果実肥大、品質向上の追肥管理」について
◎曇天が続いたらリン酸の葉面散布を行いましょう
☆奇形果の軽減とチップバーン防止に
ホップアップ300倍+カルタス500倍で週1回程度、定期的に葉面散布を行ってください。
※うどんこ病が発生している場合は、「ホップアップ」を「アミノメリット青」500倍に変更してください。
☆とちおとめは、なり疲れ・休眠防止に11月からジベレリンを生育状況に合わせて1~3ppmで20日に1回定期的に葉面散布してください。
※草勢が強い場合も薄い倍率で必ず時期に葉散布してください。
※特別な場合を除き、いばらキッス・やよいひめは基本的に必要ありません。
※ジベレリン液剤は40mlを200ℓに薄めて1ppm、約66ℓに薄めて3ppmになります。
☆根っこへの酸素補給に
マルチ後1ヵ月に1回程度定期的にMOX(酸素供給剤)を10㌃当たり10リットルかん水施用してください。
☆エネルギ―補給と果実肥大に、ポリリン酸で充分にリン酸を吸収させてください。
・収穫開始までトーシンPK5㎏を7~10日おきに定期的にかん水してください。
※果実肥大期にはエルエス2㎏を混用するとさらに果実肥大に効果的です。
※窒素の追肥は腋果の開花頃または、11月中旬から開始してください。
☆果実品質向上となり疲れの軽減について
・11月中旬~12月下旬まではアミノキッポ5~10㎏を週1回かん水してください。
※いばらキッス、やよいひめは「ライブリー」5~10㎏に変更してください。
※天候不良時は「アミノキッポ3号」10㎏に変更してください。
☆根っこの活性化と葉の色抜け対策に発根促進剤とミネラルを補給してください。
新葉の色が抜けてきたら「新チャンス液S10㎏」+「メリットM3㎏」を10日おきに2~3回かん水してください。