『きみの友だち』 重松 清
母に重松 清さんの『十字架』を貸した後に、
お返しに『きみの友だち』を貸してもらいました。
2か月前に。
ちょっと厚みがあったので放置していました。
今日は集中力がなぜだか全く続かなくなったので、
小説でも読むかと読み始めたのです。
章ごとにタイトルがあったので、短編のようなつくりかなと思って、
1話、2話…と読み進めてみると、
1話も2話も3話もつながっていました。
短編のような長編小説でした。
ちょうど『ひとみずむ』のつながりを意識したあとに、
さあ、読むか、となったのもいいタイミングでした。
つながっているって、思う瞬間があります。
あからさまにつながっている感がでているのではなく、
さりげなく「あった」と思える調子で小説が進んでいます。
『きみの友だち』は、映画にもなったようですね。
これも観てみたい。
内容は、子供の友達とのやりとりが、舞台です。
読んでいて小学校時代の友達との相関図がなんとなく、
心の中にイメージが浮かんできたりして、
不思議な感覚になれる本です。
私は子供のころから、自分は自分。
って感覚をとても持っていた気がするので、
友達も仲のいい子はいたけれど、
いろいろな子がいるって、どこかで思っていて、
いじめられ気味の子がいたとしても、
その子はその子らしさがあるという風にみて、
接していました。
でも、大人になるにつれ、
こういう人は苦手、この方が正しい・・・って
だんだんなってきた部分が増えてきたように思うのです。
いつからそうなっちゃったのでしょう・・・。
そう思って沢山イライラすることがありました。
そして、今になってまた子供時代の感覚に戻っています。
小説の中の言葉でいいなと思ったものを拾いました。
「でも、もう腹は立たないし、いらだちもしない。
由香ちゃんはそういう子で、そういう子だからいいんだな、と思う。」
そんなことを考えている、小説の中の無愛想な恵美ちゃんに、
ちょっと自分を重ねながら読んでいます。笑
どうぞ!