ドビュッシーの生家~Odeon~リュックサンブール公園~Saint-Germain-des-Pres~Vavin
2日目。曇り時々雨。
ドビュッシーの生家がPARIS郊外にあるということで、今のホテルが割と近い位置にあるので、さっそく行ってみることにしました。
メトロの切符は、ゾーンに分かれていて、Zone1.2.3.4.5と遠方につれ、料金がアップします。ドビュッシーの生家は、Zone4のRERA線Saint-Germain-en-Layeにあるので、実は、Paris6回目にして初めてのZone1からの脱出でした。
とはいっても、エッフェル塔付近から約30分で行けてしまいます。電車を3本乗り継いで、行きました。調べたところによると、Saint-Germain-en-Layeは、高級住宅街のようです。
A線は、途中から地上へあがるので、移りゆく街並みを楽しみながら外を眺めていました。着く途中の大きな川がとってもヨーロピアン情緒のある感じでした。雨だったのが少し残念です。
ドビュッシーの生家は、Saint-Germain-en-Layeの観光案内所の奥にあるとのこと。
12時頃、行ってみると14時からと言うではないですか。
先に街を散歩することにしました。雨にぬれた大きな落ち葉が、びっしりと歩道を埋め尽くします。
お店が軒を連ねる中、ひときわ目立ったおもちゃ屋さん。ゆめかちゃんにおみやげを頼まれているので、入ってみることにしました。
誕生日プレゼントは、乳母車のセットを、おばあちゃんに頼んでいるそうです。PARISでは、小さな子が、乳母車を押す光景がたくさん見られるのもあって、ここのおもちゃ屋さんにもありました。また、かわいい動物や人形のおもちゃがたくさんあるのですが、日本の子供は、とくにキャラクターになっているものを好む傾向がある気がします。アンパンマンやプリキュアではないから、選ぶのに躊躇しちゃいます。
13時になったので、そろそろランチ場所を探すことにしました。あたりをきょろきょろしていると、気になるお店がありました。お店のウインドウには、たくさんディスプレーや張り紙があって、ぱっと見、中の様子がわかりません。なので、ちらっと外の窓から中を覗くことに。ちょっと妖精になった気分です。(笑)親子がいるのが見えて、温かそうな雰囲気を感じたので、入ることにしました。
「ボンジュール」
マダムと料理人のムッシューが二人で営んでいました。中に入ると、カントリーなディスプレーにますます居心地の良さを感じます。
しかし、メニューがフランス語でしたので、英語を頼んだら、マダムは、英語が話せませんでした。ちょうどその時、お客様が入ってきました。また、親子です。
マダムが、英語の助けを、そのお客様に求めて、ようやく私は理解することができました。
「ももの部位あたりのラム肉で、塩加減もあるけど、ちょっと甘いソースがお好きならば・・・」と。
しかし、その親子は、子供が食べたいものが見つからなかったようで、店を後にしました。まるで、私の通訳の役で登場です。
そして、こちらが出てきました!
マダム&ムッシューに「セボン」と伝えました。
美味しすぎて、ますます癒されてしまいました。店内ではラジオから、ドビュッシーの「ロマンティックなワルツ」が流れていました。
マダムに「セボン」と伝えると、にっこりとほほ笑んで喜んでいるようでした。
コーヒーも頂いて、お店を後にしました。
14時。ドビュッシーの生家へ再び。
小学生たちが、まもなく見学に来るからということで、14時きっかりでよかったようです。
ドビュッシーの写真、楽譜、家具などが展示されていました。日本のドビュッシー展に、かなり出典があったので、こちらの方が少なく感じましたが。街の様子を見学して、とてもロマンティックな街だったので、なんとなく一致したというか。
15時頃、Parisへ戻りました。Odeon からSaint-Germain-des-Pres付近を歩きたいと考えていました。パリの文芸の香りに満ちたエリアのようです。映画『最強のふたり』のフィリップは、確かSaint-Germain-des-Presに住む設定だったというのもあったので。
パサージュのようなところへ入っていくと、封筒などを売っているお店があって、素敵だったので入ることにしました。
色々みていると、オーナーのムッシューに話しかけられました。商品以外のことで。
「日本人? 日本人の友達からメールが来たんだけど“kanasii”ってどういう意味?」
「I miss you. とか、I’m sad.ってことですよ」
(ムッシューにんまり)
「kanasii me too って日本語でどう書くの」
「Watasimo kanasii(紙に書く)」
「メール送ろう。おっと、日本は何時かな?」
「23時50分」
「わ、寝る前。ちょうどいいぞ!」と、また、ニンマリしてました。
「バーイ!」
ロマンチックなパリジャン。
私は、彼と日本人彼女の為に、この店に入った伝書鳩のようでした。(笑)
地図は見ないで、気の赴くままに歩いていました。1時間半くらい経つと、知らぬ間にリュックサンブール公園に到着。落ち葉の絨毯と、秋の花がきれいに飾られていました。小さな子供たちをたくさん見かけました。ベビーシッターの方もいらっしゃるようです。
もう、公園を抜けて街に戻ろうと一瞬思いましたが、さらに進んでみる好奇心の方が勝りました。芝生のグリーンと落ち葉の黄色のコントラストが美しいです。今、どの辺なのか、公園内の地図の前で、探していたところ・・・・。
60歳くらいの男性に英語で声をかけられました。
「観光で来ているの?」
「はい」
「仕事は何を?」
「コーチです、ライフコーチ」
「みんなの助けになっているんだね。君にもコーチは必要?」
と聞かれたので、「Yes」と答えたら、観光案内してくれることになりました。(笑)
そして、写真を撮るのをかって出てくれました。
何枚か写真を撮ると、「自分のことbeautifulって知ってる?」と日本では耳にすることのない質問をされました。夏に友達になった外国人は、”You are very sweet and beautiful.”と言われました。
これは、社交辞令かなとか、距離が近すぎるように感じて、特に、男性に言われると受け止めにくい感じを持っていました。でも、そう勝手に考えることは、辞めたらいいのではないかって、夏に気づきました。そう考えないで、受け止めた方がよっぽど幸せじゃないかって。でも、「maybe」と答えますよね。大和撫子としては。(笑)
ある大使館の前で、帽子をかぶった女性が悲しくうつむいている像がありました。
ムッシューは、彼女の帽子のあたりに手を当てて、話を聞いてあげている風にしてみて、とモデルに注文してきました。撮られた写真はこちらです。「君の広告に使えるよ」と。私の仕事のことをとても分かってくれていたみたいです。
気づいたら、行きたかったSaint-Germain-des-Presのほうへ着いていました。ラグジュアリーなショップが軒を連ねます。ここは、また一人でゆっくり来たい場所となりました。
老舗のラグジュアリーホテルの脇を通ったので、中を見てきたらと言ってくれました。
入ったら、レストルームのサインが見えて、ついでに寄ることにしました。
そして、外で待ってくれていたムッシューに「時間がかかったね」と言われたので、理由を説明すると、「君は、とってもナチュラルだね。幸せそうに見える(笑)」と笑って言われました。
私は、あまり、英語はしゃべっていないけれど、そんなやり取りの中で、人間味みたいのを人は感じるのでしょうか。外国人は、日本人よりもパーソナリティーをよく見ている気がします。また、言葉にして伝えるから、よく見ていると感じるのでしょうか。
それから、19時になったので、レストランへ連れて行ってもらうことになりました。
ここから、数駅で、「Vavin」という駅。まるで、オセロの四隅を勝ち取ったかのように、4軒の代表的なレストランが対面してありました。
まだ、お腹が空いていないので、そのうちの2軒をはしごすることにしました。
まずは、モリディアーニの絵が飾られたカフェです。文豪たちも訪れたようです。
カプチーノをいただくことに。
カプチーノを飲みながら、私の興味のある「ドビュッシー」「ゴッホ」「サンテグジュベリ(フランス語ではサンテックス)」の話をしてくれました。とても詳しいです。特に、ゴッホの終焉の地、「オーベルシェルオワーズ」はオススメのようでした。行きたいけれど、今回、モネかゴッホかで迷ってモネにしたので・・・。もし、私の時間があればですが、ゴッホも案内してくれるとのことでした。
20時半くらいにディナーです。とっても広いお店で、みなさん魚介類を食べていらっしゃいました。生牡蠣、行きたいところでしたが、今回はなんとなく控えることに。
白身魚とほうれん草、マッシュルーム添えにしました。典型的なフレンチにしました。
あっさりとして、美味しかったです。
ムッシューは、今は離婚してフリーと言っていました。32歳と29歳の息子さんがいらっしゃるようで、21年間の結婚生活だったとか。「テレブル・・・」と言っていました。深くは聞きませんでしたが。そして、私に「right person」が見つかるといいね~と願ってくれました。
ムッシューです。
またしても、不思議な出会い。もっと若ければ・・・とちょっと思ってしまいましたが。(笑)
「すべての物事にはタイミングがあり、私に合うものは向こうから私のもとへやってきます」というアファメーションをいつも唱えて就寝している効果なのでしょうか。
この続きは、誰にもわかりませんね。