長編映画「時をかける東京サバ女子」ローマ・プリズマ・アワード映画レビュー
映画「時をかける東京サバ女子」(2024年、99分)
●ローマ・プリズマ・アワード入選
映画レビューもいただきました(英文)
下記に全文掲載します(日本語訳)
●ニース国際映画祭ノミネート(脚本部門、編集部門)
ありがとうございます
出演:山下りか、平原大地、近藤奈保希、松岡峻、木下隼輔、Keita、ふなとみゆき、平秀信、神崎直、上田千夏、工藤歩実
録音:田島幸
撮影:ふし文人、松岡峻
照明:杉山正弘
助監督:西口千草
音楽:永井カイル
脚本・監督:ふし文人
あらすじ:アメリカから帰国したゲイのサーモンは、カノジョのシジミと連絡が取れなくなる。カフェのバイトで退屈な毎日を繰り返すうち、シジミの兄カイと出会う。何回もタイムループを経験し、やがて黄泉の国に落ちる。
スクリーンチェック時のコメント動画、届いてます
以下、撮影クランクアップ時のコメント(二代目・サーモン役、山下りか)
・五代目サバさん役・近藤奈保希 コメント
・平原大地・ホタテカイ役 コメント
・ふし監督 コメント
特報も
よろしくお願いいたします。
映画レビュー(ローマ・プリズマ・アワード)
「『時をかける東京サバ女子』では、ふし文人監督が愛と喪失、そして時間の超現実性を絡めた複雑でエモーショナルな旅を描いている。
主人公のサーモンは、アメリカから東京に戻った後、平凡な日常に閉じ込められていることに気づく。恋人であるシジミとの距離がどんどん縮まっていく様子や、シジミの謎めいた兄、カイとの出会いが、この物語の感情の核となっている。
この映画の美学は、現代の東京の活気あるエネルギーと、心を揺さぶる超現実が混ざり合ったものだ。主人公が自分自身を見失うタイムループは、サーモンの内面の混乱や前に進めないことのメタファーとして機能し、サーモンの未解決の感情との葛藤や、満たされない恋の繰り返しを象徴している。ループのひとつひとつが丹念に作られ、微妙な変化で観客を飽きさせず、現実の本質を問い続ける。
キャストは力強い演技を披露しており、特にサーモン役の山下りかは、戸惑い、傷心、決意をわかりやすく表現し、説得力がある。シジミの兄役のカイ(平原大地)は、ミステリアスで時に不穏な存在感を醸し出し、プロットの陰謀をさらに深めている。
ループを区別するための色彩と照明の使い方は、物語の複雑さを補完する視覚的なストーリーテリングのレベルを高めている。
大阪で生まれ、アメリカで学び、東京で著名な監督の指導を受け、その技を磨いてきた伏文人は、この作品に豊かで多文化的な視点をもたらしている。インディペンデントの脚本家、俳優、監督としての彼の経験は、本作のニュアンス豊かなキャラクターと複雑なプロットに表れている。
『時をかける東京サバ女子』は、ファンタジックな物語に包まれ、観る者をハラハラドキドキさせながら、人間のあり方を探る催眠術のような作品だ。これは伏文人の技術とビジョンを証明するものであり、注目すべき監督である。」