季節感を表す言葉
国語教科書には俳句や短歌が載っていますが、季語という概念をいきなり提示するのではなく、イメージして日本語で語彙がたくさん思い浮かべられるようにと常に心がけています。
日本語の語彙を現地語の翻訳として1対1対応で暗記するのではなく、日本語の世界を日本語でイメージできるようにと言ったら良いでしょうか。
インターネットにある中学生向けの国語問題に良い練習になりそうなものがありましたので、中学生男児に問題を読んで書いてもらいました。
好きな季節:冬
好きな理由:心がおちつく、温かい飲み物やスープ、ふかふかのベッド&毛布、クリスマス
冬休み
好きな季節から思い浮かぶ言葉:ホットミルク、トルテッリーニインブロード、雪、寝てるミミちゃん(うちの飼いねこ)、クリスマスツリー、アドベントカレンダー(レゴ、チョコ)
次の言葉はどの季節を表す言葉でしょうか。
さんま、つくし、風邪、ナイター、おでん、蝶、新米、卒業、風鈴、コスモス、ブーツ、花火、花冷え、山笑う、小春日和、天高し、霜柱、万緑
具体的で季節をイメージするのはそう難しくないものもありますが、日常会話では使わない季語そのものもありますので、知らなかった言葉は自分でパソコンを使って調べたそうです。
興味深かったのは、「さんま、つくし、おでん、新米」は季節を想像できたのに、「コスモス」はあまりピンと来なかった様子でした。
確かに、イタリアでコスモスの花が咲いているのを見たことがありませんし、お花屋さんでも売っていません。
日本のコスモスはラグーサがイタリアから持ち込んだのが最初らしいのですが、イタリアでは見かけないのは不思議です。南イタリアならどこかで咲いているのでしょうか。北イタリアは秋が短く急に寒くなることが多いので、自生は難しいのかもしれません。
中学生には、このような国語科の内容も使い、主に読み書きの技術を使って進めますが、小さい子ども達には、秋には落ち葉や栗、春にはちょうちょや小鳥、夏には金魚など、イタリアでも目にするわかりやすいものを題材に、季節を意識した工作をして、日本語で知っていること、思ったことなどをお話ししてもらうようにしています。