第3回十字軍4-尊厳王フィリップ2世登場
2018.03.28 03:34
父ヘンリーは息子若ヘンリーを共同王とした。そして妻アリエノールの離婚(結婚無効)申請をヴァチカンに提出した。しかしこれは子供達、とりわけアキテーヌで、アリエノールの理想として育てられたマザコン次男リチャードの反発を招き、勝手に行動するようになった。
1177年何と離婚は却下された上愛人も死ぬという父ヘンリーダブルショック。悪縁の3人の内で一番年上の仏王ルイ7世は、息子フィリップに譲位を決意。ところが79年息子が重病に罹った。王の夢枕に死したトマス・ベケットが立ち、ルイは英国に渡り墓参りを決意。ベケットの墓前には、幽閉されたアリエノールも含め、因縁の3人が集ったが、これが最後であった。
祈りのかいあってかフィリップの病気は快癒。11月1日、フランス王権を確立した尊厳王フィリップ2世が14歳で即位し、翌年ルイ7世は崩御した。そして息子は何と、父のライバルだったヘンリー2世を後ろ盾にして、自分に逆らう諸侯を次々に落としていくのである。
一方、英国ではリチャードが若ヘンリーへの臣従を拒否。82年リチャード討伐にアキテーヌへ軍をすすめた。ところが翌83年若ヘンリーは、28歳の若さで病死。順当では筆頭のリチャードが王位を継ぐはずだが、マザコンの彼に簡単に継がすわけがない。