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上腕二頭筋の観察

2018.03.30 22:33

上腕二頭筋って上肢の中では大きな筋肉ですし、働きも色々あると思います。

でもその単純さゆえに意外に重視されていない筋肉かもわかりません。

以前ブログに書いたことがありますが、上腕二頭筋の下には上腕筋という筋肉があります。


これをエコーで観察すると上腕筋は収縮するのではなく上腕二頭筋を押し上げる為に必要な筋肉なんじゃないかと予測しました。

実際に肘関節を屈曲した時、上腕二頭筋はもちろん縮みますが、上腕筋は膨れ上がるような動きをしているのが観察されます。

つまり弓の弦を持ち上がるような形で上腕二頭筋の張力を最大にして補助している訳です。


関節を曲げるために必要な筋肉って伸び縮みするだけでなく、このように他の筋肉を補助するような働きをする筋肉があるのだと思います。

エコーで観察すると実際にそうなっているようにしか見えないんです。

きっと他の関節筋肉にも大なり小なり全く同じ現象が起こっているのだと思います。単純な構造を深く理解すると複雑なものの基本構造が見えてきますからね。

この現象を観察して考察すると経絡のことが浮かび上がってきます。


経絡は蛇行すると以前から何度か書いたと思います。

力学的にも真っ直ぐに力をかけるより捻れながら力をかけた方が収縮率があがって効率がよくなるのではないかと思います。

例えば雑巾を絞ると長さが縮みます。

それと同じように筋肉は捻れるように働いている。

だから見た目は縮むように見えますが、実際は雑巾が絞られて距離が短くなるような構造になっているのだと思います。

ネジを締めて距離を変える方が弱い力を強い力に変えることができますよね。

それと同じだと思います。

これもエコーで観察すると繊維の一つ一つは回転するような動きをしますので間違いないな~って思います。


だからきっと経絡も蛇行するんですよね。

真っ直ぐ縮むのではなく、回転しながら縮むってことでしょう。

あくまでも私の予測でしかありませんが間違いないと思っています。

安静時に筋肉が緊張しているというのは、回転の位置が高い(どの位置に対して高いという厳密なものではなく緊張していることから便宜上)のではないかということです。


筋肉が収縮するイメージそのものが間違っていたとしたら?

臨床で絶対に正しい結果は生まれませんよね。

つまり筋肉を緩める方法が根本的に間違っているから筋肉を緩めることができないんだと思いません?


安静時に捻れている筋肉は収縮時に捻れが戻っている。

そう考えると今まで起こっている筋肉の作用で合点がいきます。

ネジの図です。

筋肉が縮むという言葉のイメージは距離が短くなるということです。

しかし、捻れて縮むイメージと真っ直ぐ縮むイメージは全く違います。

安静時に捻れが強い距離でセットされてしまうと、安静時緊張で固定されてしまいます。

だから触診上緊張しているように感じる訳です。

その状態から信号が筋肉に送られると逆に伸展方向にネジが回って筋肉が弛緩するんだと思います。

つまり筋肉が緊張しているというのは、捻れている位置が変化しただけであって筋肉に問題がないと考えられます。

位置情報を変化させれば瞬時に緊張が緩んで当たり前です。

この意味がわからないと筋肉を揉んで緩めてしまうということになります。


筋肉は筋肉そのものを緩めちゃ駄目だということです。

位置情報を変えなければ筋肉は緩まないのだと思います。

私が何度も動画であげてきたように一瞬で筋肉の状態は変化します。

筋肉が緩むのに時間は必要ない。

つまり揉んだり叩いたり鍼を深くさしたりする必要はないということなんです。

大事なことは、情報を変化させるということです。


情報が変わらないと筋肉は緩まない。

筋肉の捻れを解消できたとしてもまた元に戻る訳です。

なぜなら情報は同じだからです。


また側弯などがある場合、真っ直ぐの人とは違う安静の仕方が必ずあるはずです。

人によって情報に違いがあります。

だからこそ診断をし、何が一番その人にとって安定した状態なのかを知る必要がある訳です。


筋肉でも個体差があるんですから内臓は、もっともっと複雑でしょう。

そして内臓は筋肉の情報によって変化するということも言えると思います。

筋肉はある意味身体の外観を作るための最も重要なパーツと言えます。

それらが連携して、その人の姿勢や形を決めている訳です。

それを無視したら絶対に正しい位置、正しい情報というのは得られないでしょう。


基礎医学は大事です。

高価な器具がなくても簡単にこういう予測できたりします。

でも発想の転換をしないと認めることはできません。だから同じことの繰り返しをしてしまう訳です。

発想の転換さえできれば、それに基づいて臨床がおこなえます。


この考え方からすれば、腰痛の時や鞭打ちの時に牽引するという行為がいかに危険なことなのかがよくわかりますよね。

筋肉が緊張しているのは、捻れの位置情報が変わっているからです。

そこを理解せず引っぱったらネジの軸そのものが牽引され伸びてしまいます。

そうなったら元には戻りませんよね。


マッサージでも鍼でも同じでしょう。

ネジの軸そのものに刺激を与えてしまったら、軸に変位がでてしまいます。

軸を変化させるのではなくネジの位置情報を変えることが重要なのだと思います。