ねじねじ
(ねじねじのうたを歌いながら読みましょう)
いや、違う。
ねじるんじゃない。ネジの話だ。
さて、先日の市長杯の総評でも話があったように(不慮のものは除くとしても)試合中の故障はいただけません。 本来なら失格になってもおかしくないところです。
単に整備不足といってしまえばそれまでですが、さすがにそれではかわいそうなので少しネジの話をしておきたいと思います。
どうしたら試合中に外れないようになるのか・・・
ミニロボで使うネジは長さの違う2種類のみです。
どちらもプラスのネジです。
ネジは、ネジを回して締め付けた際に発生する締付け力 (軸力)が大事で、
ネジを回して締め付けるときに回転方向に回す力を 「締め付けトルク」 といいます。
ネジの素材にもよりますが、ネジには規定の締付けトルクが存在していて、弱ければ緩むし強ければ破損します。
”適正な”力で締められている必要があります。
力いっぱい回せばいいというものではないことに注意しましょう。
さすがに説明書にも締付けトルクは書いていませんし、どれくらいの強さがいいのかは書きようもありません。 そもそも規定トルクで締めるにはトルクレンチが必要です( ゚д゚)
ミニロボで使われているネジは、なべ小ねじのM2サイズです。
そもそもしっかり締めていない場合は仕方がありませんが、しっかり締めても徐々に緩んでくるのがネジというものです。 試合前のメンテナンスでは増し締めしましょうと言われますが、緩みを確認することと、もう一度しっかり締め直すことで緩みを防止します。
ネジもナットも消耗品なので、潔く新しいものに交換するというのも大事です。
見た目はまだ使えるように見えても、本来の性能が出ないということはよくあることです。
毎回全部替える必要は全くありませんが、力がかかる部分や、毎回締めても緩む部分があればもう寿命がきているので交換しましょう。
また、ネジ頭を舐めてしまっているものも同様に適正な力で締めることができないので交換します。
試合中でよくあるのは前後の鉄球やロワデッキ部分で使うネジが落ちるパターンではないかと思います。
つねに引きずられて力がかかっていたり、ミニロボが向きを変えるように右に左に力がかかり続ける部分はゆるみやすいです。
こまめに交換するか、ボンドで止めてしまうというのもありかもしれません。
取れてしまうにはそれなりの理由があるので、原因を見つけて対処しましょう。
もうひとつ、
ネジは1個ずつ全力で締めていけばいいというものではありません。
左右のギアボックスをシャーシに固定する時や、1個のパーツを複数のネジで固定するときなどは、順番に(できるだけ締める位置もバランス良く)全部のネジを少しずつ締め込んでいきます。
1箇所を全力で止めてしまうと、固定するパーツそのものが歪んだり、まっすぐ取り付けることができなくなってしまいます。
*余談ですが、ギアボックスの前後でセパレートタイプのシャーシを使っている人は前後左右をきっちり同じ位置で固定するのが難しく、まっすぐ走らなくなる原因にもなるのでネジを締める際には十分注意して締めましょう。
最後に、
ドライバーにもこだわるとベストです。
道具にお金をかけるのはもっと上達してからと思うかもしれませんが、よく使うプラスのドライバーだけは少々奮発してもいいかなと思います。(といっても数百円ですが)
サイズが合っていなかったり、表示サイズは同じでも精度が悪かったりするとネジを痛めてしまいます。
どうやら安いものは先が尖りすぎていてネジにしっかりはまらないようです。
同じ0番でも先端は微妙に異なっていて、ネジの形状との相性もあります。
また、短いドライバーを使っている場合も、無駄に力が入って締めすぎる傾向にあるように見えます。 少し柄の長いドライバーを使うと少ない力でしっかり締めることができるのでおすすめです。
改造して、ナットにしっかりネジがかからずにちょっと短いけどいいにしたりすると取れてしまう原因にもなります。
ミニロボにはたくさんのネジが使われているので、とても練習になります。
どれくらいの締め加減がいいのかわからない場合はプラザで聞いたり上級者の方に聞いてみるといいでしょう(もしくは設計者の神ITOさんに)
ネジを制するものはミニロボを制します。(言い過ぎ
正しく組み立てる第一歩なので、部品同士をくっつけるめんどくさい奴ではなくて、もっとネジの声を聞きながら丁寧に組み立てるように心がけていきましょう!
#ネジの世界は奥が深い