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ゆとりらYOGA

「スーパー30 アーナンド先生の教室」(映画感想)

2022.11.27 07:11

これはヒンドゥー語の作品なので、ボリウッド映画ですね!(ちなみに「バーフバリ」「RRR」はトリウッド映画というそうです。こないだYouTube「BLACKHOLE」でバフィー吉川氏が解説してくれていました)

貧しい家庭に生まれた頭脳明晰な主人公が、意欲と能力がありながらも貧困で学ぶことができない子ども達の為に無料の私塾を開き、最高学府IIT(インド工科大学)を目指して数学と物理を教え始める。教育をビジネスとしか考えない地元の行政と塾経営者とに妨害されながらも、型破りな教育で生徒たちを導いていく…これ実話だそうで、主人公のアーナンド先生は今現在も指導を続けているらしいです🌟

この無料の塾を開くまでに、若き日のアーナンドくんは大変な屈辱や苦労を味わい、そこから一転してお金持ちに…そして自分を拾ってくれた恩師ともいえる塾のオーナーから離れて私塾を開いていくのですが。

そんな前段があっての「教室」なので、全体的に長い。この作品も途中で「intermission」と出ましたが、RRRと同じく、5秒後には後編が😱

2時間40分の作品なので、実際に休憩入れるかどうかは微妙な所なんだと思うけど・・・個人的には2時間半超えるなら、5分で良いからトイレ休憩入れてほしいです!

カースト制度が根強く残るインドでも、エンジニアや理数系研究者は職業として新しいことから、のし上がるチャンスがある。でも高い教育を受けるにはお金がいる。お金があれば低い階級でも認められる。高い頭脳を後進への教育に使うのか自分の金儲けに使うのか…まあそんな単純な二択ではないにしても、この作品では大手塾経営者とそれと結託する大臣は完全な悪、貧しい子ども達を守り教育するアーナンド先生はスーパーヒーローに描かれています。

そんなエンタメ要素の高いストーリーなので、正直、ラストも「いやいや出来過ぎ…」と思ったのですが、帰って検索したら、事実でした!!絶句🤐


こういう、「持たざる者が持つ者に一矢報いる」系のお話は痛快ですが、社会現象としての教育格差、教育ビジネスの過熱、みたいなのは日本もインドに似ているな、と感じました。

高い教育を受ければ大金を稼ぐことが出来、それ即ち成功者で勝者となる、というのはとても分かりやすいけど、その一本道をずっと走り続けられるとは限らない。

実際、息切れする子も多いし、コロナ禍きっかけで脱線、脱輪する子も多発していると思います。

そして何より「成功」「幸福」の定義が大きく変わってきていて、学歴やお金ではないところに平安を見いだせればそれも1つの幸福の形だと、私は思います。

だけど、才能のある人がそれに見合う教育を受けられないのはやはり理不尽・・・「スーパー30」のような場所で学べる子達は、ITTの受験結果やその後の人生はどうであれ、幸せな体験だと思います!

この作品、レビューを見ると、インド版「ドラゴン桜」!って書いてあるんだけど、私は「金八先生ってこんな感じの話かな」とか思いながら見てました(どっちも見てないからわかんない😶)。熱血アーナンド先生!

※3年前にインドに行った時、デリーの「GURUKUL」と呼ばれる全寮制の学校を見学されてもらいました。選抜された優秀な子ども達が、先生と一緒に暮らしながら学ぶ場所・・・スーパー30はこれの超エリート版みたいな感じなのかも。

この作品、実話と書きましたが、インド映画の大作にはお約束の歌とダンスのシーンもちゃんとあります。どちらもすごく印象的で、舞台のミュージカルの歌みたい。

関西では、塚口サンサン劇場で上映中です!

おまけ
この映画にもやはり聖典「マハーバーラタ」からの引用が出て来ます!
弓の師匠ドローナと彼を敬愛したエーカラヴィヤのお話…