第3回十字軍6-総大将バルバロッサ就任
2018.03.29 06:31
皇帝フリードリヒ1世と教皇は対立を繰り返した。この中で再登場したのが、教皇と皇帝は共に神から任命されたという「両剣論」である。そこで皇帝は自分の帝国を「神聖帝国」と号した。大仰な名前はこうしてできたのである。そしてその威を高めるために十字軍に行かねばならない。
1181年にルキウス3世が教皇となり、皇帝側との話し合いが行われ、和平が合意し、皇帝が十字軍に行くことを了承した。ところが1185年ルキウス3世が死去すると、反皇帝のウルバヌス3世が選出された。彼は皇帝のミラノ攻略の際に目の前で縁者を殺害されていた。
87年10月、教皇はフリードリヒ1世を破門すべくヴェネツィアへ向かう途中死去してしまう。そして次は皇帝と仲のよかったグレゴリウス8世が教皇に選出された。そしてヴァチカンは、皇帝の権利をかなり認めて十字軍への参加を決定したのである。
グレゴリウスは高齢のため12月に亡くなり、翌年クレメンス3世が選出。彼は皇帝との和平を確定させ、さらに英王リチャード1世、仏王フィリップ2世も参加させ、ここに諸王の参加する最強の十字軍をつくりあげた。89年皇帝は総大将として10万の軍を集め、騎士道に則り、サラディンに宣戦布告をした。
下は第3回十字軍を率いる皇帝バルバロッサ