恐るべき米英露のスパイを巡る情報戦
2018.03.29 09:58
ロシア当局が英国で元ロシア人諜報員を殺害した件で、米英を中心とした西側諸国がロシアの外交官を次々に追放する事態に発展している。
米国はすでに冷戦以降で最多となるロシア外交官60人の国外追放を決めた。しかし以前ロシア政府は、元スパイ殺害未遂事件への関与を否定している。トランプ大統領もプーチンとの関係を考慮したのか、「彼がこれほど決断を渋ったことを深く憂慮する」と、米下院軍事委員会における民主党トップのアダム・シフ議員は語っている。
ロシアも黙っていない。ラブロフ外相は今回の大規模なロシア外交官の追放について、米国が他国に圧力をかけたためだと指摘。「必ず、我々は対応する」と述べた。そもそもロシアはなぜわざと「殺害したのをバラした」のだろうか。ロシアのヒットマンが殺害を隠さず実行するはずがない。この裏にはなにがあるのだろうか。
カナダ政府も元スパイ暗殺未遂事件を非難し、外交官4人に国外退去を命じているし、 欧州では仏独などEU加盟16か国がそれぞれ1~4人のロシア人外交官追放を決定した。欧州は米英に無条件で同調しているようだが、ロシアをこれまで以上に敵に回してメリットはあるのだろうか。プーチンは一人の命と引き換えに、西側の動きを伺っているのだ。日本はやすやすと同調してはならないだろう。独自路線で行くべきだ。