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フェスボルタ文藝部

元相方として。(山内てっぺい)

2018.03.29 10:43

つづき


元相方とはラジオをきっかけにネットで知り合った。僕がラジオに電話出演したとき調子に乗ってツイキャスなんか始めちゃって、その配信を聞きに来たのが元相方。多分中2か中3の時の話だ。当時僕には話の合う友達は少なかった。もういないようなものだった。特に音楽の話ができる友達なんかいなかった。そんな僕の目の前に(ネット上だが)現れた元相方はギターも弾けて曲も作れて音楽の話もできる魅力的な友達だった。

彼は一人で詞を書き曲を付けステージに立ちギターを弾き語る。僕と違って社交的で明るい性格と誰からも好かれる当たり障りない言葉選びで人と接する。僕が持っていないものを彼はすべて持っていた。でも僕が思うに僕が持っているものを彼はすべて持っていなかった。まぁ僕が持っているものなんか少ないから僕の持っているものを持っていなくても何の支障もなかったのだけど。

高校時代を不本意ながらすべて勉強に使うことになってしまい、やりたいことをやる時間があまりにも少なく、せめて何かやりたいと思いラジオを始めた。僕の脳内計画では東京に出て音楽活動を本格的に始めるための準備としてのラジオだった。すごく楽しかったし誘った友達もノリノリで参加してくれた。(当時のラジオは「サイトのサービス終了」ということでなくなってしまったけどサウンドクラウドとかから探せば出てきそうな気がする)僕は少ない時間で作詞を貯め込みギターを練習した。

僕がもたもたしてる間にも彼は一人で活動を進めていた。置いていかれる間に合わない。彼ほど能力がない僕はできることをしたいようにやるだけだった。東京に出てきてやっとちゃんと活動できるといったとき、僕の突発的に発した言葉に嫌気がさしたため彼は僕から離れていったというのは何度もいろんなところで話したし書いてきた。独りで戦ってきた彼にとって僕のやってることはきっと甘えてるように見えたんだろうなぁ。そんな甘えた奴にあんなこと言われたらなぁ。そりゃなぁ。と今になると冷静に考えられる。何言ったんだお前は。


「お前の周りはイエスマンばっかりだからな。」


人前に立つ理由なんてちやほやされたいから。そんなもんだ。そこを突いたおかげで僕は相方を失い路頭に迷った。元相方として。もっとイエスマンを増やして夢を叶えてください。僕は違う夢を追いかけています。


つづく