ソフトバンクはスイス・リー株25%取得で合意に近づく-関係者
ソフトバンクはスイス・リー株25%取得で合意に近づく-関係者
Manuel Baigorri、Dinesh Nair、Jan-Henrik Förster
Bloomberg 2018年3月29日 5:12 JST 更新日時 2018年3月29日 19:48 JST
→1株100-105スイス・フラン前後で最大約1兆円相当の持ち分目指す
→105スイス・フランであれば2月7日の株価終値を16%上回る水準
29日の欧州株式市場で、スイスの再保険会社スイス・リーの株価が急伸。事情に詳しい複数の関係者の話を基に、ソフトバンクグループが株式取得で合意に近づいているとブルームバーグが報じ、買いが集まった。交渉価格に基づくスイス・リーの評価額は最大370億スイス・フラン(約4兆1300億円)に上るという。
協議が部外秘であることを理由に匿名で語った関係者によると、ソフトバンクはスイス・リー株を1株100-105フラン前後で25%取得することで交渉している。105フランであれば、両社が交渉中とした米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の報道をスイス・リーが正しいと認める前の2月7日の終値を16%上回る水準で、25%持ち分は約96億ドル(約1兆300億円)に相当する。
関係者らによれば、取得条件は流動的で変更されるかもしれず、破談となる可能性もある。スイス・リー株は29日に出来高を伴って上昇し、一時3.4%高の98.42フランを付けた。
ソフトバンクはコメントを控えた。スイス・リーの担当者にコメントを求めたが、これまでに返答はない。
株取得が実現すればソフトバンクの孫正義社長は、再保険ビジネスからの健全なキャッシュフローで巨大複合企業を強化するウォーレン・バフェット氏など財界の大立者の足跡をたどることになる。ソフトバンクは配車サービスや半導体製造、オフィスシェアリングなどの分野の企業への出資を進める一方で、世界最大のプライベートエクイティ(PE、未公開株)投資基金に向け、予定した1000億ドル(約10兆6600億円)のうち930億ドルを調達した。
スイス・リーのクリスチャン・ムーメンタラー最高経営責任者(CEO)は2月、社として長期投資家を歓迎するとチューリヒでの会合で述べていた。同社はここ数年、災害に対する保険金の支払額が比較的軽微だったため多額の資金を保有しており、2月には増配とおよび株主還元10億ドル増額の計画も示した。
バークレイズのアナリスト、イワン・ボフマト氏は、スイス・リーの株式取得でソフトバンクはコーポレート・ソリューションズ事業などを中心に興味深い事業機会を得るかもしれないとしつつ、取得が少数株ではスイス・リーの投資方針や成長課題に支配力を及ぼせないため「最終的な目標」は明らかでないと指摘した。
原題:Japan’s SoftBank Is Said to Eye $9.6 Billion Stake in Swiss Re(抜粋)
SoftBank’s ‘End Target’ for Swiss Re Unclear, Barclays Says
Swiss Re Shares Jump 3.4%; Trading Volume Surges