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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

帝国の時代53-フランス分裂秒読み

2022.11.28 11:08

フランスでは講和と同時にドイツに約束した議会選挙が始まった。なんと議会が開かれるのはパリではなくボルドーである。パリでは労働者代表が統一候補をつくって、労働者に用具を与えて、勤労者主体の共同社会を作るスローガンをつくり、当選した。しかし地方では保守派はボナパルティストが当選した。

新議会はなんとパリではなくボルドーで1871年2月17日に開かれ、ドイツと交渉したアドルフ・ティエールが行政長官となった。74歳の老長官はそこからヴェルサイユに向かい、結局ドイツ側の条件を呑むしかなく、また戻った議会は紛糾したが、これも最後に条約を批准した。

しかしパリはますます急進化していった。共和主義代表団は、労働者のつくるコミューン政府を目指すと宣言した。またパリの国民衛兵は自分達で指揮官を選び中央委員会をつくっていた。そして武装解除を拒み、大砲を奪取した。3月1日にはドイツ軍が入城したが、わずか3日で出て行った。

政府はあくまで大砲400門の撤収を図るが、市民に見つかって抵抗され、指揮した将軍は国民衛兵に捕らえられて殺害された。3月17日、国民議会と政府はボルドーからドイツ軍の去ったヴェルサイユに移転、何と愁眉の問題は、パリの武装を解除して革命派を逮捕することだった。