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不妊症になるのを待たない...①

2018.04.02 03:00

木下レディースクリニック 木下孝一院長のお話

2017年10月発行『i-wish ママになりたい 元気な卵子を育てよう!』

木下レディースクリニック
木下孝一院長


大津の地で診療をしよう!

木下レディースクリニックは、滋賀県大津市打出浜にあります。琵琶湖がすぐそばに広がり、かつて景勝の地として枕草子で「浜は打出浜」と紹介される場所に、その前身となる木下産婦人科がありました。

院長の木下先生が生殖医療を志したのは、父親が産婦人科医であったこと、また父親と違った形で産婦人科医療に貢献したいと考えていたこと、そして、何より生殖医療に深い興味があったからだといいます。

大学卒業後は、最先端の生殖医療を学びたい、携わりたいと名古屋にある不妊治療クリニックで、日々、診療に没頭する日々でした。そんな中、週末には地元へ戻り、父の営む木下産婦人科で不妊外来を担当するようになり、その患者の多さに驚いたといいます。

半年ほどで患者さんはいっぱいになり、週末だけの外来では足りなくなってしまいました。また、一般不妊診療だけでは、患者さんの要望に応えられないこともあり、患者さんには、勤務先の名古屋のクリニックへきてもらうこともあったそうです。

「大津に帰ろう。

 地方だから受けられない医療があるのは、おかしい。

 都会だから受けられる医療があるのは、おかしい。

 地方でも全国レベル、世界基準の医療が受けられるクリニックで患者さんを診よう」

そう考え、地元の皆さんに愛され、貢献してきた父親の木下産婦人科を引き継ぎ、2017年夏、木下レディースクリニックをスタートさせました。

木下先生にお話を伺いに行ったのは内覧会の翌日。お祝いの胡蝶蘭がずらっと並ぶ中で、熱い思いが体の中でひしめき合い、ほとばしっているような印象を受ける、次世代に通じるお話でした。

さっそく、ご紹介していきましょう。

 

不妊症にならないように

滋賀県の生涯未婚率(高い順)は、全国46位。女性の平均結婚年齢(高い順)は19位、女性が第一子を産む平均年齢(高い順)は11位です。つまり、結婚している人はどこよりも多いが、結婚年齢は高く、高年齢出産の割合も高い傾向にあり、不妊治療を必要とする人も潜在的に多い土俵にあったことが統計からもわかります。

女性は、年齢を重ねれば妊娠、出産が難しくなり、不妊症になる方も増えます。

そこで大切になってくるのが、女性が自分の体のことをよく知り、自分のライフプランを立てること。中でも妊娠や出産をどうしたいかを考えること。そのためにAMHセミナーを開いています。

対象は、すべての女性です。

未婚も、既婚も関係なく、不妊か、そうでないかも関係ありません。またお子さんがいる方も対象になります。

いつか結婚を考える時に、いつか出産を考える時に、また2人目や3人目のお子さんを考える時に、AMH検査がそのプラン作りの大事な情報として、きっかけや子づくりへのスイッチになってほしいと考えています。

それは何より「不妊症にならないように」「赤ちゃんができなくて困らないように」そう願う気持ちからです。例え、AMH値がゼロであっても、笑って帰れるように説明をしています。AMH値が低いことが強迫観念になってしまったら、元も子もありませんからね。AMH値からわかることが、きっと不妊症になるのを待たない医療につながっていくものと考えています。


充実した診療を提供する

また、不妊治療を必要とするときには、全国レベル、世界基準の治療を受けていただけるように整えています。 

患者さんご夫婦は、それぞれ年齢も違えば、生活環境も思いも違います。ご夫婦それぞれのニーズに応えるためには、医療レベルが充実していることが大前提で、それには設備面や治療に携わる医師、看護師、胚培養士の質の高さが重要です。私は、これまで多くの症例を扱うクリニックに勤めてきた経験から、多くのデータを持って診療に当たることができます。胚培養士も経験者がおりますし、看護師もベテラン揃いです。

特に培養室は、こだわって作りました。ISOクラス1レベル(1m当たりの空気中に0.1µm以上の粒子が10個以下)のクリーン度に保てるシステム(KOACH/興研株式会社)を導入し、培養室の壁は透明で、中をよく見渡すことができます。ここに、チリやホコリが入ったとしても気流の力で外部に排出され、清浄度を速やかに回復することができるため、入室時のシャワールームも必要なく、卵子や胚を扱うためのクリーンベンチも必要ありません。

作業効率もよく、ミスも起こりにくい環境ができました。

その他、診察室は診察台や超音波診断装置が配置された大きな部屋にあるなど、工夫も随所に見られます。一般的に多い診察室は小部屋タイプですが、自宅で言えばリビングのような大きな部屋とすることで開放感があり、看護師などスタッフも行き来しやすいなど、医療の作業空間を効率よく持ち合わせたスペースとなっています。


不妊症になるのを待たない...②


木下レディースクリニック 木下孝一院長のお話
2017年10月発行『i-wish ママになりたい 元気な卵子を育てよう!