[見どころ]阿部麗也 vs.前田稔輝
12月3日(土)後楽園ホール
日本、WBOアジアパシフィック フェザー級タイトルマッチ
王者・阿部麗也(KG大和)
vs.
挑戦者・前田稔輝(グリーンツダ)
阿部=1993年3月25日、福島県出身の29歳。左ボクサー型。戦績:27戦23勝(10KO)3敗1分。
前田=1996年9月25日、大阪府出身の26歳。左ボクサーファイター型。戦績:10戦全勝(5KO)。
必倒の左ストレートを持つ
サウスポー同士の対決
今年5月、丸田陽七太(森岡)を3-0の12回判定で破ってフェザー級の日本王座とWBOアジアパシフィック王座を手に入れた阿部の初防衛戦。挑戦者の前田は日本拳法出身のホープで、10戦全勝と勢いがある。序盤から目の離せないサウスポー対決だ。
阿部は2019年5月と9月、2度にわたって日本王座に挑んだが、10回引き分け、10回判定負けで戴冠を逃した。3連勝後、丸田を破って念願ともいえるベルトを手に入れた。地域2冠王者になったことで現在はIBF5位をはじめWBO10位、WBC12位、WBA13位と主要4団体すべてで世界挑戦圏内にいる。
前田は日本拳法出身で、2019年4月にプロデビュー。その年の全日本新人王を獲得後、昨年4月に日本ランキング入りを果たした。今年2月には木村蓮太郎(駿河男児)とのホープ対決を2-1の8回判定で制して株を上げた。8月には元WBOアジアパシフィック王者のジョンリエル・ラモナル(フィリピン)に2回KO勝ちを収めている。10回戦を通り越し、今回が初の12回戦となる。
切れのあるカウンターを持つサウスポー同士のカードだが、得意とする戦い方は異なる。やや変則的な動きを交えて出入りしながら相手を揺さぶり、抜群のタイミングで左を打ち込む阿部に対し、前田は絶妙な間合いから予備動作なしに左ストレートを打ち込む。この左は長中短どの距離でも放つことができるだけに、相手にとっては脅威といえる。
経験値と機動力で勝る阿部が総合力では上を行くが、目が慣れる前に挑戦者の左を浴びるようだと波瀾の可能性が膨らみそうだ。(原功)