たまごサンドに挟んだメッセージ
黄色が幸せをあらわす色ならば、
たまご料理は
幸せの料理なのかもしれない。
今朝、この頃よく見ている
『一人前食堂』さんのYouTube動画を
観ていたら、たまごサンドが登場した。
たまごペーストに
マヨネーズが絡まった
あの「タマゴサンド」ではない、
ぽてぽての
大きなだし巻き玉子が挟まった
あの「たまごサンド」の方である。
西洋のパンの文化と
日本のだし巻き玉子の文化が抱擁した結果、
あの「たまごサンド」が生まれたのだと
自釈している私。
「そういえばたまごサンド、
お母さん好きだったよな・・・」
ふと、
祖母の看護で家を離れている
母のことを思い出した。
家から祖母の家へは
歩いて15分ほどの距離。
時刻は午前6時をまわった頃。
「いける。間に合う。
朝ごはんに間に合う。」
そう思った私は
おいしい玉子が売っている
最寄りのコンビニへと駆け出した。
息が白く寒々しい12月の初日、
師走の名のとおり、
走りまわる月が始まった。
玉子を4つに
食パン2枚。
たまごサンドは
鮮度がいのちである。
フライパンに
バターを寝かせて、
といた玉子をじゅわりと広げる。
「ふつふつ」という
玉子の声を聴きながら
高く高く重ねていく。
薄いたまごサンドじゃダメなのだ、
厚い厚いたまごサンドでなければ。
からしマヨネーズを塗ったパンの上に
手早くだし巻き玉子を
ご鎮座させる(のせる)。
パンとたまごを抱擁させて、
角と角で三角に切っていけば
和と洋が融合した
「たまごサンド」の完成だ。
黄色が幸せをあらわす色ならば、
たまご料理は
幸せの料理なのかもしれない。
だし巻き玉子の厚みは
相手の幸せを思う厚み。
たっぷり大きなたまごサンドに
黄色いメッセージをはさんで。
「お母さん、
朝ごはん持ってきたよ。」