ZIPANG-6 TOKIO 2020 ~温泉入浴で腸内細菌に変化、疾病リスク改善~ 実証実験結果発表【別府市】
別府市の概要
別府市(別府温泉) 湯けむりライトアップ
別府市は、九州の北東部、瀬戸内海に面した大分県の東海岸のほぼ中央に位置し、阿蘇くじゅう国立公園に属する由布・鶴見岳の麓で裾野をなだらかに別府湾へと広げる扇状地特有の地形により、緑豊かな山々や高原と波静かな別府湾に囲まれた美しい景観を誇り、大地から立ちのぼる「湯けむり」は別府を象徴する風景として市民はもちろん観光客からも親しまれている歴史と文化あふれる国際観光温泉文化都市です。
市内には、別府八湯と呼ばれる8つの温泉エリアが点在し、毎分約10万3千リットルを湧出する温泉は、医療、浴用などの市民生活はもとより観光、産業などにも幅広く活用され、古くから日本を代表する温泉地として賑わっています。
人口は、県内では大分市につぎ2番目となる約12万人ですが、市内には約3,000人の留学生が勉学に励んでおり、日本でも有数の異文化あふれる国際交流都市としても成長を続けています。
また、市政のさらなる飛躍・発展のため、地域資源である別府の歴史・伝統・文化・産業を磨き別府の誇りを創生する取り組みを推進しています。
別府温泉のシンボル
竹瓦温泉
明治12年(1879)創設で、当初建築されたものは竹屋根葺きの浴場でその後改築されたものが瓦葺きであったため、竹瓦温泉の名称がついたと伝えられています。
現在の建物は昭和13年(1938)に建設されたもので正面は唐破風造(からはふづくり)の豪華な屋根をもつ温泉となっており、その外観は別府温泉のシンボル的な存在となっています。天井の高いロビーは昭和初期のイメージを残しており、湯上りにくつろげるスペースとなっています。
名物の砂湯は浴衣を着て砂の上に横たわると砂かけさんが温泉で暖められた砂をかけてくれます。
別府市 竹瓦温泉 正面の屋根は唐破風造(からはふづくり)で、その外観は別府温泉の象徴とも言われています。
昭和の懐かしい雰囲気が漂うロビー、小生の記憶では、大きな柱時計は中央にあり、周辺に手造りで木製の椅子や机、斜め後ろには畳の休憩室がある。壁には当時の想い出のモノクロ写真等がかけられていた。
竹瓦温泉の名物「砂湯」
砂湯は浴衣を着て砂の上に横たわると砂かけさんが温泉で暖められた砂をかけてくれます。
砂湯の後にはシャワーで体の砂を洗い流し、天然温泉のあがり湯へ
ここは絶対にお忘れなく…休憩室で一休みしたら地下にある源泉かけ流しの浴室へどうぞ…
残念ながら浴室全体の写真を探したが紛失してしまったようです。石の階段の上から見下ろす景色の良い事。なんでも鑑定団にそのまま出せば中島誠之助鑑定士はきっとこんな風に『本当に良い仕事してますね~』と・・・
別府は八湯と申します…まだまだ見どころは沢山あります。温泉は得意分野になりますのでと申しましても「八咫烏の行水」程度ですが、あと写真1点だけご紹介して本題へ・・・
別府八湯「鉄輪温泉(かんなわおんせん)」の内
地獄蒸し工房鉄輪(かんなわ)の足蒸しと足湯
足蒸は背もたれ付きの低い椅子に腰掛け両足を膝小僧位迄穴にスッポリと…御御足にも良い
温泉の泉質、性別で異なる疾病リスク減少
九州大学都市研究センター(所在地:福岡市 センター長:馬奈木 俊介)は別府市、別府市旅館ホテル組合連合会と包括連携協定を結び、温泉に一定期間入ることに健康効果があるかどうかを測定する「免疫力日本一宣言」実証実験を実施してきました。
この実証実験で、温泉の入浴によって「疾病リスク」と「※腸内細菌叢」に変化が生じることを証明しました。
※腸内細菌叢(そう)(腸内フローラ):腸内に生息している多種多様な細菌が、バランスをとりながら腸内環境を良くしており、腸内フローラとも呼ばれます。
1. 背景
2021/4/30に締結した別府市、別府市旅館ホテル組合連合会との包括連携協定の元、九州大学都市研究センターは温泉入浴による健康効果について、腸内細菌叢のゲノム解析技術を利用して、その効果の測定を行ってきました。
温泉入浴による健康効果については、以下の仮説があります。
1)泉質別に様々な健康効果があるとされ、また毎日入浴することで心筋梗塞に代表される虚血性心疾患や脳卒中の発症数が減る、
2)温泉入浴により、発症「予防効果」の促進がされている。しかし、温泉入浴による医学的な健康効果はまだ未解明の部分が多く残されています。
「免疫力日本一宣言」実証実験では、参加者140人に泉質が異なる温泉に一週間入浴してもらい、その入浴前後の腸内細菌叢をゲノム解析し、その解析結果から温泉入浴の健康効果を科学的に実証しました。本発表では、その結果を報告します。
※生物のDNAがもつ遺伝情報を総合的に解明することです。
※別府市には10種類ある掲示用泉質のうち、7種類の泉質が確認されています。
湯けむり立ち上る宿「別府温泉」
2. 分析結果
腸内細菌叢のゲノム解析結果から得られた参加者の実験参加前後の疾病リスク値の平均値の差の変化を分析しました。分析の軸としては、参加者が入浴を行った5つの泉質の温泉「塩化物泉」・「単純温泉」・「炭酸水素塩泉」・「硫黄泉」・「硫酸塩泉」と男女別・年代別で分けました。
入浴前後で疾病リスクが減少した疾病は泉質別・男女別で下表の結果となりました(表2)。
この一覧から分かるように、泉質別・男女別で異なる疾病リスクの減少が見受けられます。疾病リスクの変化に統計的な有意な結果が出たものとしては、単純温泉に男性が入浴すると「過敏性腸症候群」の疾病リスクが有意に減少することが判明しました(図1左)。
また男性の50歳未満では5つの泉質の温泉のどれかに入浴することで「通風」の疾病リスクが有意に減少することが判明しました(図1右)。
表2. 泉質別男女別で疾病リスクが下がった疾病
(※赤字は平均変化量が10%以上減少したもの。「硫酸塩泉」についてはデータ数の関係によりここでは省略しています。)
図1. 統計的有意に疾病リスクが減少した疾病
【参考資料】
温泉入浴による腸内細菌叢の変化
疾病リスクの数値の予測に腸内細菌叢の占有率を用いています。この腸内細菌叢の各細菌の占有率の変化が疾病リスク増減の要因となるものであるため、この腸内細菌叢に関しても分析を行いました。
腸内細菌叢における各種細菌は人によって腸内における出現率と占有率が大きく異なるため、今回は各参加者の腸内で上位20件の占有率を持つ腸内細菌を対象に分析を行いました。そしてその中から様々な疾病との相関が報告されている腸内細菌に着目して分析を行いました。
下記一覧は着目した腸内細菌が疾病とどのように関連するかをまとめた表となります(表3)。
「疾病リスク悪化要因」の列に疾病の記載がある場合、その腸内細菌が増加することによって、疾病リスクが増加すると言われています。
一方で、「疾病改善・緩和要因」の列に疾病の記載がある場合、その腸内細菌が増加することで、疾病リスクの減少が見込まれます。
表3. 腸内細菌と疾病リスクの相関表
分析の結果、男性が炭酸水素塩泉に入浴することでビフィズス菌の占有率が増加し、女性が単純温泉に入浴することでコプロコッカスの占有率が増加することが、統計的に有意な結果となりました(図2左、中央)。
また50歳未満の女性が塩化物泉に入浴することでフィーカリバクテリウムの占有率の増加が統計的に有意な結果となりました(図2右)。
今回有意な結果が出た細菌は増加することで各種疾病の改善要因になることが示唆されています。そのため、温泉に入浴することで、各種疾病リスクを減少出来る可能性があります。
図2. 統計的に有意に占有率が増加した細菌
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
協力(順不同・敬称略)
別府市役所 〒874-8511 大分県別府市上野口町1-15 電話:0977-21-1128
竹瓦温泉 〒874-0944 大分県別府市元町16番23号 電話:0977-23-1585
紅山子(こうざんし)
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アーカイブ リンク記事をご覧ください。
現在の塚原温泉。旅館は木造建築。背景のこんもりした緑の森の奧に火口から立ち上る噴気が見えます
火口は標高1,045mの伽藍岳(がらんだけ)中腹、標高約800メートルのところにあり希望者は見学可能です。当時、近くにあった掘っ立て小屋の鉱泉風呂に入浴したいばかりに辺り一面硫黄の匂いがたちこめる中、恐々登ったものでした。
源 為朝(みなもとの ためとも)にまつわる伝説
塚原温泉には、平安時代の豪傑「源為朝(みなもとの ためとも)※」についての伝説が残っています。 12世紀、為朝が山で狩りをしていた時、傷ついたシカが湯溜まりに浸かり傷を癒しているのを見て塚原温泉を発見したと伝えられています。
※源為朝は源頼朝、義経兄弟の叔父にあたり、剛柔無双を謳われた。身長は2m以上あり剛弓の使い手であった。幼少期より荒くれ者で、父・為義により九州へ追放。ところが九州を制圧して鎮西八郎を名乗りました。
源義経が生きのびて、チンギス・ハーンになったという伝説がありますが、源為朝は琉球に渡り、その子が琉球王 舜天となったという話があります。
真意の程はわかりませんが、琉球正史「中山世鑑」や琉球歌謡集「おもろさうし」※に記載されています。
※「おもろさうし」とは1531年から1623年にかけて首里王府により編纂された歌謡集です。
ZIPANG-3 TOKIO 2020 別府八湯の温泉源 伽藍岳の中腹「平安時代 源為朝が発見したと伝わる塚原温泉」見参!
https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/6850284
別府温泉 血の池地獄 編集局イメージ
ZIPANG-4 TOKIO 2020 環境省 チーム 新・湯治とは 「第6回セミナー、現代人の生活に"寄り添う温泉"」開催
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/7740167
クアパーク⻑湯とは
クアパーク⻑湯は⼤分県⽵⽥市の温泉地・⻑湯温泉にあります。
温泉浴・飲泉・歩⾏湯・ジャグジー・サウナなどを備えた温泉棟のほか、地元農家から仕⼊れた野菜で作る⾃然派レストラン、14棟のコテージからなるホテルがあり、すべての施設は世界的な建築家・坂茂(ばん・しげる)⽒の設計による美しい⽊造建築が特徴的です。
全温泉の1%以下と言われる希少な温泉
重炭酸泉とは湯中に重炭酸イオンが溶け込んだ天然温泉を指します。
⻑湯温泉の町の温泉病院の院⻑で、温泉研究家でもある伊藤恭(いとう・きょう)医師によると「炭酸泉による作⽤が⾎流を増やし、⽼廃物や痛み成分の排出を促すことで、動脈硬化の予防や痛みの軽減にもつながる」効能が期待できます。
また、生活習慣病・肝臓専⾨医の栗原毅医師、内科医の李恵利佳医師など多くの医師が関わられ、重炭酸温浴法を推奨しています。
ZIPANG-5 TOKIO 2020 温泉療養複合施設『クアパーク⻑湯』新しい健康づくりの聖地へ
https://tokyo2020-5.themedia.jp/posts/12262330
道後温泉本館は、日本最古といわれる道後温泉のシンボルで、「神の湯」に代表される温泉施設です。 道後温泉本館の一番の魅力は、日本の公衆浴場として初めて、平成6年(1994)に国の重要文化財に指定されながら、博物館化せずに現役の公衆浴場として営業を続けているところです。
平成21年(2009)に発行されたミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでは、最高位の三つ星を獲得しています。
現在の神の湯本館は、道後湯之町初代町長の伊佐庭如矢(いさにわゆきや)が、100年後の道後の繁栄を見据え、幾多の苦難を乗り越えて、明治27年(1894)に改築した木造3階建てで、その後、明治32年(1899)の又新殿(ゆうしんでん)の建築、大正13年(1924)の養生湯の改築、昭和10年(1935)の改造等を経て、今日の姿となっています。
建物設計は、松山城の城大工棟梁の家系である坂本又八郎で、大屋根の中央にギヤマンを使用した塔屋(振鷺閣しんろかく)を載せ、その上には道後温泉ゆかりの白鷺が据えられ、西洋の技法を取り入れたトラス構造を用いた壮麗な三層楼の本館となっています。
ZIPANG-4 TOKIO 2020 令和二年古今折衷~3000年の時を越えて「重要文化財、道後温泉本館~火の鳥~をシンボルに『道後REBORNプロジェクト』を展開中!」
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/7528735
※現在、1900件余の記事掲載、下記のサイトからご覧ください。
最新の記事をご覧いただけます。
ZIPANG-6 TOKIO 2020 (VOL-6)
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最近の記事をご覧いただけます。
ZIPANG-5 TOKIO 2020 (VOL-5)
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250件ほどの記事をご覧いただけます。
ZIPANG-4 TOKIO 2020 (VOL-4)
https://tokyo2020-4.themedia.jp/
235件ほどの掲載記事をご覧いただけます。
ZIPANG-3 TOKIO 2020 (VOL-3)
https://tokyo2020-3.themedia.jp/
200件ほどの掲載記事をご覧いただけます。
ZIPANG-2 TOKIO 2020(VOL-2)
https://tokyo2020-2.themedia.jp/
615件ほどの掲載記事をご覧いただけます。