認知症講演会を開催
2018.04.01 02:01
長野県塩尻市・レザンホール中ホールで3月10日、「‘認知症社会’への道標 一人で悩まずにー認知症のいまとこれからを考える」(主催:認知症社会のあり方を考える松本平実行委員会、幹事・塩尻フォーラム21)を開催。県内中南信地方の介護事業関係者や要介護者を抱える家族、一般市民ら約180人が出席、基調講演やパネル討論を通じて認知症の初期症状や予防対策等に理解を深めた。
基調講演は「認知症ケアの基本と患者への対応」をテーマに、長野赤十字病院脳神経救急センター長の矢彦沢裕之先生(市内北小野古町出身)が画像資料を用いて解説。認知症の要介護者には嫌な感情を残さないようなストレスの少ない家庭環境づくりや、接する人々のスマイルが要介護者の心を一番リラックスさせることが重要だと訴えた。
続くパネルディスカッションは「不安のない認知症支援のあり方を考える」がテーマ。県立木曽病院長・井上敦先生がコーディネーターを務め、講師の矢彦沢先生に加えて、塩尻市長寿課介護予防係長の尾崎祥代さんと塩尻市社会福祉協議会デイサービスセンター所長の佐藤奈保江さん、看護師の傍ら実母の介護をする梶澤弘子さんがパネラーに。認知症を取り巻く行政の対応や要介護認定の課題をはじめ、介護事業の現場で見られる要介護者の行動やスタッフの対応の仕方、要介護者を抱える家族の悩み等に関して意見交換。7年後には高齢者の3人に1人が認知症になるとされる「認知症社会」を踏まえ、将来に安心できる認知症対応の方策も探った。