相模原なるほど学校クイズ【14】
今回は、高校の三太郎先生から進学率の問題です。
Q. 今回は、全日制高校進学率の問題です。以下の選択肢の中で正しいものは、どれでしょう。
①神奈川県は全日制進学率が他県より2〜3%(1300から2000人)も低く神奈川県に住んでいるために2000人近くもの生徒が全日制への進学を諦めざるを得ない。
②神奈川県は、100校計画もあり高校が削減されてもまだ他県と同様に92.0%程度の全日制進学率がある。
③神奈川県は全日制進学率が他県より2〜3%(1300から2000人)も高く高校削減はやむを得ないことだとも考えられる。
答えは画像の下にあります。
《答えと解説》
答え:①神奈川県は全日制進学率が他県より2〜3%(1300から2000人)も低く神奈川県に住んでいるために2000人近くもの生徒が全日制への進学を諦めざるを得ない。
《解説》
2020年の全日制進学率は、神奈川県90.5%に対して、千葉県93.5%、埼玉県92.1%です。
2022年度から2023年度にかけてさらに全日制入学枠(全日制計画進学率)を減らします。『県立高校削減のために意図的に生徒募集定数を減らす、低進学率募集計画』といわざるを得ないでしょう。
今年の9月4日に開かれた神奈川県公私立学校設置者会議で確認された来年度の募集計画では「全日制計画進学率(※1)」が、90.3%(※2)でした。昨年確認された今年春の計画進学率は、90.6%です。これでは全日制進学率が来年度は、神奈川県は、89.0%をきるかもと言われています。
(※1)全日制計画進学率
県内私学高校入学定員目標と県内公立高校入学定員目標との合計を県内公立中学校卒業予定者数で割り、県外への予定進学者数の割合(今回は、ここ3年間の平均)を足したもの。
(※2)県内私学高校入学定員目標15000人と県内公立高校入学定員目標40750人との合計を県内公立中学校卒業予定者数67994人で割り、県外への予定進学者数の割合(ここ3年間の平均)8.29%を足したもの。
(※3)全日制進学率 今年度 89.6%
全日制高校と高等専門学校進学者(両者とも県外県内問わない)(60,111人)を県内公立中学校卒業者数(67124人)で割ったもの。数字は今年度のもの。
また今回も思わず唸ってしまうような数字が示されてしまいました。
中学を卒業するとほとんどの生徒が高校に進学すると思いますが、全日制を望んでいながらも定員が少なければその望みを叶えることは難しいということになってしまいますね。
リセマムのこちら↑の記事によると、今年度の神奈川県の中学卒業予定者は昨年度に比べて870人増加の見込み。しかし、全日制高校の募集定員は400人増。果たしてこの募集定員で全ての子どもたちの希望を叶えることができるのか、正直少し心配です。
進路指導にあたる先生方にとっても頭を抱える問題なのではないでしょうか。
ここ数年、相模原市でも県立高校の統廃合が進んでいて、保護者としても進路の選択肢が狭くなっていると感じています。
余談になりますが、相模原市に県立高校が増えた経緯には「公民館活動」が強く影響しています。公民館が有料化され、県立高校が統廃合で少なくなっていく。
社会教育の大切さが軽視されていくことで子どもの教育に皺寄せがいっているような気がします。
三太郎先生から補足資料をいただきました。
かつてあった相模原市内の県立高校
- 弥栄西、弥栄東→弥栄
- 新磯、相武台→相模原清陵
○弥栄、相模原青陵→相模原弥栄 - 大沢→相模原総合、城山→城山
- 相模大野→相模原中等
- 相模台工業、相模原工業技術→神奈川総合産業
今後の再編後の県立高校
相原、津久井、上溝、相模原、麻溝台、城山、上溝南、上鶴間、橋本、相模原中等、相模田名、総合産業、相模原弥栄、津久井定時、総合産業定時
(全日制13校、定時制2校)
市内の県立高校は、18校から13校に削減されたことになり、高校数で28%削減です。
神奈川県公私立学校協議会
県教育委員会、政令市教育委員会、私立中学高等学校協会で構成、オブザーバーとして公立中学校校長会、私学保護者、県立高校、県PTA協議会の各代表で構成
神奈川県公私立学校設置者会議
県知事、県政令市教育委員会、私立中学高校代表理事、横浜国立大学副学長、弁護士などで構成。
県内私学公立の入学定員目標は、神奈川県公私立学校協議会が作成した報告をもとに神奈川県公私立学校設置者会議で決定します。両会議とも教育に関することを取り扱います。
設置者会議のメンバーを御覧になればお分かりになると思いますが知事の承認がないと計画進学率は決められません。また、計画進学率に基づいて教育委員会が募集計画を策定します。なので知事の意向に沿う募集計画が決められることになります。
そういえば、政令指定都市で市立高校がないのは相模原市だけねんですよね。県立高校が削減されていく中で、新たに市立高校を設立することには疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、子どもたちの学びの場の確保という意味では、県立高校が統廃合により削減されていく中だからこそ設立を検討する意味もあるのではないかと感じます。