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冬に気をつけたい愛猫の健康管理

2022.12.10 01:00

寒い季節になると「猫はこたつでまるくなる」というように、おうちの中でじっとしてあまり動かなくなる猫も多いかと思います。

今回は、そんな寒さが苦手な猫が元気に冬を乗り切るために、愛猫の上手な冬の健康管理についてお話したいと思います。


泌尿器のトラブルに気を付けましょう

冬に多い猫の病気といえば、泌尿器系の疾患があります。猫はもともと南方系の暖かい地方の動物のため寒さには弱く、乾きに強いため水をあまり飲まない性質があります。冬は気温が下がることでさらに水を飲まなくなり運動量も少なくなるため、おしっこの量や回数が減ってしまいます。回数が減るとおしっこが濃くなり、ミネラル成分が結晶化しやすくなります。おしっこの中に結晶ができてしまうと尿道を刺激して炎症を起こします。炎症が起こると膀胱が膨らみにくくなったり、血尿を起こしたりすることがあります。また、結晶が集まり砂状になると、尿道を詰まらせることがあります。特に、尿道が長くて細い雄猫では尿道に結晶が詰まってしまうことが多く、早く適切な処置をしないと命にかかわる場合もあります。

【予防法】

猫はきれい好きなので、トイレが汚いとおしっこを我慢することがあります。そのため、トイレは常にきれいにしておきましょう。また、給水用の食器をいくつか置いたり、お気に入りの場所に置いてあげたりするなどの工夫をして、できるだけ水を飲ませておしっこを薄めるようにしましょう。なかなか水を飲まない場合は、ご飯をドライフードよりも水分量の多いウェットのフードに変えることで水分の摂取量を増やすことができます。また、水に猫用のスープなどを加えて風味付けをし、好んで水を飲むようにするなどの工夫もひとつの方法です。

それでも、もし丸一日おしっこが出ないようであれば、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。


ウイルス、細菌感染に気をつけましょう

冬は寒く空気が乾燥しやすいため、喉や鼻の粘膜がダメージを受けやすくなります。そのため風邪のような症状にかかりやすくなります。これは主にウイルスや細菌感染が原因です。症状としてくしゃみ・鼻水・咳・発熱などがあげられます。多頭飼育の場合、1頭がウイルスや細菌に感染してしまうと、感染が広まる可能性が十分にありますので、早めの治療が必要となります。また子猫や老猫は免疫力が成猫に比べると弱いため、病気にならないように普段から十分気をつけましょう。


【猫ウイルス性鼻気管炎】

鼻水や目ヤニ、よだれなどから直接または間接的に感染します。体力のない子猫や老猫の場合、重症化すると命にかかわることもあります。

くしゃみ・鼻水・目ヤニ・元気や食欲がなくなるなどの症状がみられます。進行すると鼻がつまって慢性副鼻腔炎や呼吸困難、気管支炎から肺炎になることもあります。一旦回復した猫でも、別の要因で体調が悪くなると再び増殖し、再発することがよくあります。

このウイルスは低温に強く、冬は活発に活動するので注意が必要です。

【カリシウイルス感染症】

猫ウイルス性鼻気管炎と症状は似ていますが、舌炎や口内炎ができて口の中が荒れてしまい食欲がなくなります。症状が進行すると肺炎や気管支炎、結膜炎になることもあります。猫カリシウイルスは猫の分泌物中(よだれ、鼻水)に排泄されるため、感染している猫との直接的な接触、または人や食器・トイレなどを介しての間接的な接触で感染してしまいます。


上記はどちらも混合ワクチンで予防することができます。ワクチン接種についてはかかり助の動物病院と相談して定期的に接種しましょう。


暖房器具に注意しましょう

寒い冬の時期は特に動かないでじっとしていることの多い猫の場合、ストーブやハロゲンヒーターなどに近づきすぎて火傷をしてしまうことがあります。

安全だと思われているホットカーペットや電気毛布なども寝返りをせずに長時間同じ姿勢でいると、低温火傷を起こしてしまう可能性があるため注意しましょう。長時間こたつに入りっぱなしで出てこないで、気付いたら熱中症のような症状になってしまっていることもあるため、こまめに様子を見てあげることも大切です。

また、電気のコードをかじって火傷や感電をすることもあります。電気コードは猫の口が届かない所を伝わせるか、カバーをするようにしましょう。いたずらしやすいところにゴムホースを通したり、ビニールテープを巻いたりして予防しましょう。


肥満に注意

寒い冬では暖房の効いた暖かい部屋でくつろぐ機会が増えるため、運動量が低下し消費するエネルギーも自然と減ってしまいます。運動量が減った時に注意したいのが肥満です。肥満は、心臓病や気管の病気、心肺疾患、関節疾患、不妊や難産、また皮膚病などの様々な病気を起こしやすくします。さらには感染症を起こしやすくしたり、免疫力の低下を引き起こし、手術時の麻酔の危険度を高めたりします。肥満を予防するためには急激にご飯の量を減らさず、体重維持または減量用のローカロリーなご飯をあげるなど、毎日の体重の測定とその子に合ったご飯の量の調節をしましょう。

【理想の体型】

適正体重は猫の大きさや骨格などによって異なりますので、まずは愛猫の体型が適正であるかどうか体を触って確認してみましょう。

理想の体型は、猫の胸あたりを触ると軽く肋骨を触ることができ、上から見て適度なくびれがある状態です。肥満になると肋骨が触れなくなり、腰のくびれがなく横から見て背中も平らな状態になります。


体のケアをしましょう

飼い主さんの都合によって部屋の温度を調節してしまいがちですが、猫にとって昼間は暖房が強く暖かいが夜になると暖房を消してしまうので寒い、ということになり、このような状態を繰り返してしまうと、温度差により猫は体調を崩してしまいます。夜はペットヒーターを使うなど工夫をして寒くないようにしてあげましょう。

また毛づくろいをする際に、冬は被毛の量が多いため飲み込む量も多くなり、毛球症になりやすくなります。毛球症を防ぐために、こまめにブラッシングをして抜け毛を取り除くようにしましょう。ブラッシングをこまめに行うことで、皮膚のマッサージにもなり保温性を保つアンダーコートというやわらかい毛の発育を促進することにもつながります。


まとめ

冬は猫の被毛が豊かになり手触りも良く、また寒さのためか普段は一緒に寝ない猫もベッドに入り込んでくる…なんてこともある幸せな瞬間が多い季節です。

そんな冬の季節に私たち人間が猫の体調に特に気を付けてあげることで、様々な病気を防げる可能性があります。飼い主さんと愛猫が共に元気な冬を過ごせるように、健康管理にはくれぐれも気をつけましょう。