2016年3月17日(木)『ライ王のテラス』
2016.03.17 09:58
三島由紀夫最後の戯曲、『癩王のテラス』を、初めて観た。若く美しく逞しい王、ジャヤ・バルマン7世は、バイヨン寺院を建設をする事を決める。その時、王に、ライ病の兆しが左腕に見えた。寺院の建設が進むにつれて、王のライ病は進み、その完成を待たずに、盲目になってしまう。完成の日、テラスに出た王は、王妃に寺院の様子を聞きながら、息絶える。自分の肉体の美しさを、バイヨン寺院に、移し替えたのだ。
と、まあ、この舞台の主題は、よく分からなかったが、この舞台の最大の魅力は、主役の鈴木亮平の美しく、逞しい身体、肉体に尽きる。素顔は、さほどハンサムではないが、どちらかと言うと、男らしい顔立ちである。その顔を、メイクで、きりっとした、ハンサムに顔を作っていた。舞台上の、堂々とした、メリハリのある身体は、躍動的で美しい。この舞台のために、体重を30キロ増やしたそうだ。大胸筋が張り、広背筋がその横に広がっている。腹筋も二段に割れて、セパレーションを見せている。背中のぼこぼこ感は、さすが、作ることはできなかったが、広背筋だけは、薄いが広がっていた。舞台上で、後ろ姿を見せることは少なく、急遽作った肉体ではあるが、もともとマッチョな体型であったのだろう、舞台では、十分であった。結局、このライ王のテラスという舞台は、鈴木亮平の肉体があったからこそ、実現したのだし、彼の飛躍の大きなステップになると確信した。真の意味の肉体派男性俳優の誕生である。。