平成30年3月29日(木)『BS 句会、特選2句』
7時からBS句会に出席、5句出したうち、2句特選に選ばれ、1句今井聖先生が、天地人の人に選んでくれた。
提出句は、
古本を置く春炬燵終の家
白き剣空にすっくと辛夷咲く
斜に構え私は桜嫌いな子
新しきスタジオセット弥生尽
廃川の桜筏の身じろがず
の5句。
古本は、カンさん特選、今井先生じん,廃川は、くずう特選,はいたか、こう並選
古本を置く春炬燵終の家 カン特選、今井先生人
春炬燵と言われても、家に畳の部屋が無く、炬燵を持たない家も多い、最近の事情からすると、炬燵も生活感がないのに、春炬燵と言われても、もっとぴんと来ない。春にはなっても、何時寒の戻りがあるかもしれず、仕舞われることなく、部屋に置かれているだけの、生活道具と言う事になる。炬燵布団のまま置いてある場合もあるだろうし、骨組だけになって部屋の家に片隅に置かれて折る場合もあるだろう。老夫婦の積む家なら、億劫でもあるだろうし、何かの役に立てて、道具として使っているかもしれない。この句の場合には、炬燵の敷板に、古本が乱雑に置かれている姿を句にした。古本ではなくて、遺言を書く春炬燵終の家でもいいか。若い人なら,「春画置く終の住まいや春炬燵」、はどうか。「コンドーム置く終の家春炬燵」
白き剣空にすっくと辛夷咲く
山間に咲く辛夷もいいが、原宿駅前の、広場の庭に、辛夷の木が植わっておいて、桜のシーズンの前に、白い大きな花を、青空に向けて咲いていた。咲く花を、遠くから見ると、剣を空に向けて、差し上げているように感じた。
斜に構え私は桜嫌いな娘
桜のシーズンである。日本人なら誰でも、桜が好きだと思うだろうが、中には、桜を嫌いな女もいる事だろう。100人の内、一人しかないかもしれないが、必ずいる筈だろう。
そんな娘を句にしたが、単純すぎて、捻りもなく、誰もとってくれなかった。
新しきスタジオセット弥生尽
3月の終わりになると、レギュラー番組のスタジオは、模様替えする事が多い。通路を番組の担当を終えたキャスターたちが、足早に、帰宅の途の付くのも好例である。
花束は縁切りの証弥生尽、と言う句も作った。でも単純すぎて誰も取らず。
「花束や通路スタジオ飛び交いて」
廃川の桜筏の身じろがず くずう特選、はいたか、こう並選
花筏と言う言葉がある、流れる川に、桜の花びらが舞い散り、川面も覆う。私の家の前を流れる目黒川も、幅のある川面一面に桜の花びらが覆い、美しい姿を見せるが、目黒川は、川と言う名がついているが、下流に向かい、流れている事はない。お堀と同じで、川ではもうなくなっているのだ。花筏は流れるので、先ら筏と言う造語を作った。川ではなくなっているので、廃止された川と言うこれも造語で、廃川と言う言葉を作った。つまりこの句には、二つの造語が作られているのである。