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書籍『錦織一清 演出論』発売記念トークイベント開催! 錦織一清、初の著作を熱く語る!

2022.12.08 01:19

12月7日、『錦織一清 演出論』の発売記念トークイベントが行われた。同書は、舞台に懸ける熱い思いや、現場で独自に培った表現方法“錦織メソッド”などが描かれた、錦織一清待望の初著作となる。

トークイベントに先立ちマスコミ囲み取材も行われ、登壇した錦織は、「写真集以外で本を出すのは初めて。演出論というタイトルですが、内容的にはカジュアルな形で書かれた読みやすい本ではないかと思います。よろしくお願いします」とあいさつ。


続く質疑応答では時折ジョークを交えながら、出版までのいきさつを語る。

「最近は若い子たちとのお仕事が多くなってきたんですが、それは何故かというと僕が歳をとっただけなんですけど(笑)。いま作り手としても自由が利く年齢だし、若い役者たちに説明していることなんかをひとつの形に残しておいた方がいいかなと思った。今の若い子たちがかっこいいと思っていることが舞台では通用しないことがある。若いときはみんな“いぶし銀”が好きで憧れるけれど、若いうちは銀色に輝いたほうがいい。それがのちにいぶされて、味になってくるから。そんなちょっと勘違いして捉えているところをお手伝いして、ヒントを与えてあげられたらなと思う」


また、本書の中でも二人の恩師として語られているジャニー喜多川氏とつかこうへい氏の影響について「つかこうへいさんという方は僕らに寄り添ってくれるように、(公演中は)必ず舞台袖のどちらかにいてアドバイスをくれていた。その姿に何かなつかしさを感じる部分があったのは、80年代の僕ら(少年隊)が全盛の時代にちょうど今の僕くらいの歳だったジャニーさんからいろいろと本番中に舞台袖でアドバイスをいただいていたことを思い出したから。僕の中で感慨深いものがあるのが、演劇をやって、つかこうへいさんと知り合いになったことが、不思議ともう一度ジャニーさんを見直すきっかけになったこと。この本の中にもそういうことに触れています」と語った。


最後に、演出家としての錦織ワールドについて尋ねられると

「ブレヒトの言った異化効果というのが僕の中でいつもテーマになっているというか、楽しさの裏側が寂しさであったり、喜びの裏側が怒りであったり、そういうような裏返しのことをいつも考えているような人間でもあります。これは笑い話ですが、舞台の芝居は映像よりも制限がなくていいよね、という話をよくする。舞台の芝居というのはきっと言いたいことは一つか二つなんだけれど、それを遠回りしてラストシーンまで向かっていくもの。そこまでの遠回りの仕方を面白くしたい。別にやらなくてもいいことや言わなくてもいい話題とか、そういうことに埋め尽くされている舞台、本当に心の底からくだらないというか、そういうのが好きなんです。なぜなら心の底からくだらないものが一番人を傷つけないから。まっすぐにつくっていても、たとえばこの食べ物嫌いだよと言ったら、それをつくった生産者さんは傷つくわけで、人間って普段からそういうことを言ってしまっているわけですね。だから舞台上ではなるべくそういうことをなくしたい。あとは、僕のお芝居を見た人に勇気を持ってもらいたい。僕はそれをつかさんから教わりました。つかさんのお芝居のすごいところは、本当に冗談ばっかりやっているようで、最後は登場人物の誰もが勇敢になるんですよ。ちょっとくだらないかもしれないけれど、ダジャレとかを言って和んでいただいて、神髄は違うところへ持っていく。そういうことを心掛けています」と締めくくった。


この後、トークイベントが行われ、抽選で当選した書籍購入者90名が来場。来場者から寄せられた質問にも答えて、大いに盛り上がった。

■書名:錦織一清 演出論

■著者:錦織一清

■発売日:2022年11月28日(月)

■定価:本体2000円+税

■発行:日経BP

■発売:日経BPマーケティング

■仕様:四六判・並製・約240ページ

■ISBN:978-4-296-20139-6

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