パートナーがよいと言うものを受け入れますか?
こんにちは。スパークラボの津田友恵です。
ワールドカップの興奮の余韻がまだ残っています。
同じ目標に向けて、同じメンバーで目指せる期間は限られていて、そんな儚さも人の心を揺さぶる一因ですね。
そんな選手たちを支える家族も話題になりました。4大会連続出場の長友選手の奥様も同じ髪色にして、ご家族で応援していました。長友選手は奥様の平愛梨さんのことを「僕よりメンタルモンスター並みに強いですから」とおっしゃっていたのが印象的でした。
家族は一番小さな組織の単位。実現したい未来のためにも、夫婦やパートナーとの関係性はとても大切です。
「妻にも受けて欲しくて」
この一年間で、ルミナスパークのワークショップに参加した数名の男性受講者の方からこのようなご相談を頂きました。「すごく面白かったので、妻にも受けて欲しい。妻の役にも立つと思う。」というものでした。
個人的に奥様にセッションをさせて頂くと、夫婦で仕事やキャリアの希望についてよく話をしているカップルが多く、よい関係性だから一緒にルミナスパークを受けたい、そしてよりよい方向に進んでいかれるのだと感じました。
一方、あるプラクティショナーの方からは「夫に受けて欲しいのだけど、断固拒否されています」と。まずはパートナーがよいと言っているものに乗ってみようと思えるかどうかからも関係性が見えてきます。
ジェンダーのステレオタイプに苦しむ夫婦
私は今年ある研究会に参加しています。アカデミアの知と企業のニーズをつなぎ、組織変革のためのダイバーシティをどのように実現していくのかを探求する会です。 東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センターと連携して、多様な人材のキャリア設計や従業員へのダイバーシティ理解推進など、テーマごとに研究を重ね、組織の変革につなげることを目指しています。
ダイバーシティのテーマの中で「女性活躍推進」は大きな日本の課題です。何がそれを妨げているかは、ジェンダーのステレオタイプな捉え方も一つの要因と言えます。たとえば「女性の方が子育てに向いている」「男性が一家の大黒柱として稼ぐべきだ」という捉え方があります。
東京大学大学院教授の星加良司氏がこのようにおっしゃっていました。
「男性の場合、『私が一家の大黒柱として家庭を養っているのだ』という誇りとプライドによって、長時間労働も厭わず働いている。しかし、多様性の時代、それが絶対的な前提ではないと知ったとたんに男性の気持ちがポキっと折れてしまうことがある」
自分が信じてきた信念がそうではないかもしれないと知らされることは、頑張ってきた分ショックも大きくなります。
また、企業に勤める管理職手前の女性からは、このような意見がありました。
「男性育休の議論で、夫に子育てを任せて自分が働きに出てしまうと、教育的に私の方が子供に目が届くと感じるので、夫に任せきれない」と夫より子育て、特に教育的な関わりは女性自身の方が優れていると感じて、夫に任せられないという思いがあるようです。
アメリカ、プリンストン大学教授アン・マリー・スローター著書の『Unfinished Business(仕事と家庭は両立できない?)』によると、子供が幼児期よりも思春期になり教育に手がかかる時期の方が、それまで仕事をこなしてきたエグゼクティブやエグゼクティブ候補の女性さえも、家庭のケアを選択する人が増えると書かれています。
ステレオタイプを乗り越えるには
スローター教授は大事になるのが、「配偶者とじっくり話し合う」ことだと書いています。
自分にもパートナーにも正直に、
・心の底にあるキャリアの夢は?
・もし夢がかなうとしたら20年、30年後何をしていたい?
・あなたはどれくらい野心家か?
・あなたにとってのいい人生とは?
なかなかこのような自分たち自身について話をする機会は勇気がいるかもしれませんが、ルミナスパークを間において、コーチが一緒なら話ができるかもしれません。
あなたは配偶者やパートナーと話したいけど話せていないことはどんなことがありますか?
参考図書:アン・マリー・スローター著書