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絶望となかよくしようよ。

2022.12.13 08:30

『絶望となかよくなろうよ。』


娘が見ていたアニメ

「少女終末旅行」のキャッチコピーです。

作者はつくみずさん。



戦争で文明が完全に崩壊した後の世界を少女2人が旅します。

生き残った人は恐らく数名、人間以外の動植物は絶滅しているため都市には草一本生えておらずコンクリートと鉄で出来た無機質な土地が続きます。

都市は階層都市になっていて上層部が破壊された僅かな箇所から空が覗くだけ、日照が殆どありません。

そんな世界をほのぼのとした2人、チトとユーリが残された食料や燃料を探しながら旅する話しです。


チトが現状を嘆くとユーリが言います。

「もっと絶望となかよくなろうよ。」


私はこの絶望と仲良くという言葉が「ありのままを受け容れる」に似ているなあと感じています。
ありのままを受け容れるとは夢や希望を取り去り、ただ今の現状を受け容れること、今の現状が満ち足りた最上の状態でないならばそこには必ず諦めきるという作業が伴います。
明日は違うかもしれない、そんな僅かな希望さえも捨て去り、嫌だ、この状態は辛い、認めたくないと感じていることをそのまま今はこうなのだと認める作業です。


グラウンディングが弱いからか、素がのほほんとしてるからか、はたまた幼い頃の絶望的家族の状況を認めると生きるのが更に辛くなるからか、私はこの受け容れる作業がとても苦手でした。



ところが少し前唐突に「絶望的な状況だけどもう絶望的なままでいいや。」と思ったのです。これは未来が無い😞と今の気になる出来事の諸々をありのままに受け止めて「絶望」として感じていた時にこのアニメのセリフを思い出しました。

「もっと絶望となかよくなろうよ。」


絶望となかよくなるとはこういうことなのかもしれない。

絶望を嫌わない。嫌わずに今の絶望は絶望として受け容れるということなのかな。



巨大な階層都市が地上に幾つかあって、はるか遠くに見える別の階層都市には誰か生きてるのかもしれないと、イシイという女性(だったと思う)が飛行機を作って飛び立ちます。

希望を胸に飛び立ったけど、長い時間をかけて作った飛行機は飛び立って直ぐに崩壊してしまいます。

全てが破壊され尽くしている世界で僅かに残っているインフラを使って完成した飛行機。

壊れれば二度と作ることはできないのです。



パラシュートで脱出するイシイ、その様子を心配して双眼鏡で見ているチトとユーリ。

どんなに酷いショックを受けているだろうとその表情を覗き込むとイシイはパラシュートで降りながら笑っている。


ユーリ  「笑ってる」

チト     「え、なんで」

ユーリ  「わかんないけど、仲良くなったかも、絶望と」



このシーンが心に深く残りました。



思考で評価することなく現状をありのままに受け容れた時、どんなに酷い状況でも「今」の状況はこうなのだと認めてしまえると人は楽になるのかもしれないと感じました。


私の場合、認める段階は辛くて凹みましたが落ちるところまで落ちると「まあいっか」という気持ちになって何とかしなければという焦りが無くなりました。


また凹むことはあるでしょうが、次回からは絶望を嫌わずに仲良く出来そうです。🤭



ちなみに今の子どもたちは少なからずも皆が社会的「絶望」を背中に背負い、社会に光をもたらす最善を生きようとする有志なのだと思います。



#世界終末旅行 #つくみず

#絶望となかよくなろうよ。