EPISODE2 -有紗-
CHARACTER DESIGN & MAKING by chimo.
【PROFILE】
・小達 有紗 (こだち ありさ)
・11月25日生まれ
・15-16歳 (高校1年生)(享年26歳)
・152cm / 40kg / B型
【DATA】
・ハルと紗一の母親となる人物
後に20歳と言う若さで第一子を出産する。優しい日だまりのような笑顔がかわいい女の子。
・身体が弱い
昔から心臓病を患っており、辛いときに支えてくれた双子の妹・麻莉香の事を非常に信頼しており、いつでも一緒にいる。妹が世界一可愛いし誰よりも幸せになって欲しいと思っている。
・心の事が大好き
色々あってベタ惚れである。病気のせいかそうじゃないのか、心の行動に度々鼻血を噴いたり吐血したりする。この現象が世話好きの心のこころを掴んで離さないのも事実である。
・驚いたりするとたまに大阪弁が出る
小学生の頃までは大阪にいたらしく、たまに出ちゃう。この現象がギャップに弱い心のこころを掴んで離さないのもry
【EPISODE2 -有紗-】
心と出会ったのは高校1年生の頃だった。
今はだいぶ安定はしてきたが、昔から重い心臓病を患っており、幼少期はベッドで過ごす事の方が多かったという。
幼い頃から自分の介護を文句も言わずやってくれた妹の麻莉香の事が大好きだった。ずっと一緒にいたくて高校も同じ学校に進学した。
その帰り道の事だった。
久しぶりの酷い発作を起こし、その場に倒れてしまったという。
麻莉香が救急車を呼んでくれようとしたが、携帯電話が圏外だったのか、状況はよくわからなかったが、すぐに救護を呼べずにいた。
その時にたまたまその付近をランニングしていた大学生が二人に気付き駆け寄って来た。
彼はすぐに有紗を抱え、近くの病院に走って連れて行ってくれたという。
その後すぐに処置を受け、有紗は一命を取り留めた。
そして有紗は、自分の窮地を救ってくれた彼に想いを寄せる事となる。
発作で意識が朦朧とする中、「もう少しだから頑張れ」と励まし続けてくれた優しい赤い瞳が忘れられなかったという。
しかし彼はその日、有紗と麻莉香の無事を確認すると名も告げずに帰ってしまったので有紗には彼が何者なのか全くわからなかった。
彼は誰だったのかと麻莉香に聞くと、こちらも何も聞いておらず、手掛かりは空手のトレーニングでランニングをしていたらしい、という事だけだった。
それからしばらく経った頃、有紗が通う高校の全校集会で一人の生徒が壇上で何かを讃えられていた。
女生徒に黄色い声援を受けるその生徒は、有紗たちのひとつ上の学年で、名を若林智大と言った。
何でも現役の高校生ながら、空手の日本代表に選ばれたらしい。
近日、日本武道館にて行われる世界大会に出場するらしく、それの激励だそうだ。そしてもう一人、この高校の卒業生がその大会に出るのだと。
空手。あの人なら、あの日の彼の事を何か知らないだろうか。
有紗はそう思い、放課後に若林の元に聞き込みに行く事を決めた。
麻莉香に別にそんな急ぐ必要はないのではと諭されたが有紗は気になったら一直線だった。身体は弱いが行動力や決断力は抜群であった。
そして何とか若林の元に辿り着き、あの日出会った想い人の事を思い切って尋ねてみた。
髪型や瞳の色、声や体型。覚えている所を全て伝えた。
すると今朝の全校集会で教頭が話していた、もう一人の日本代表である卒業生が、その人ではないかと若林は言った。
必死な様子が伝わったのか、今度の世界大会の身内分のチケットが余ってるからと、有紗と麻莉香を招待してくれるという。
そして、数日後に麻莉香と共に出向いた武道館にて、有紗は彼と再会するのだった。
若林が「心くん」と呼ぶ彼は、紛れもなくあの日自分を助けてくれた人だった。
それ以降、有紗は心の熱心なファンとなった。
試合の度に手紙を渡したり、心の道場に練習の応援に行ったりもした。
気付けば、有紗と麻莉香、心と若林の4人はよく一緒にいるようになっていた。
学校がある日は食堂や屋上に集まり、休日にはテーマパークやアウトドアなど、たくさんの思い出が出来た。
そして有紗が高校を卒業した頃。
心と有紗の二人はめでたく恋人となり、そして有紗が二十歳になる頃、周りに祝福されながら夫婦となった。
心にとっても有紗はどうにも放っておけない存在のようで、いつもくれる可愛らしい手紙も全て大切に保管していたそうだ。
弱い身体をものともせず、いつでも一生懸命な姿が自分自身の支えにもなっていたのだという。
そして間もなくして、二人の間にもひとつの命が誕生した。
紗一と名付けられたその男の子が生まれた時は、二人にとってこれまでにないほど幸せな瞬間だった。その日、心は初めて人前で泣いたという。
しかし、生まれた子は有紗と同じ重い心臓病を持っていた。
それが判明し、子は生まれてすぐ新生児集中治療室に運ばれる事となる。
有紗はそれを自分のせいだと塞ぎ込んでしまい、しばらく笑う事が出来ない日々が続いた。
毎日毎日治療室に訪れては我が子に向かって「ごめんね」と泣いていたという。
そして、それは夫の心に対しても同じくだった。
しかし心はそんな有紗に対し、「紛れもなく有紗ちゃんが産んだ子って感じするな」「早く3人で家帰ろう」と、いつもと変わらない笑顔で言うのだった。
無いに越した事はないけれど、心にとってはその病気があったから有紗と会えたのだと、彼女の持つそれを障害だと思う事はどうしても出来なかったのだ。
心は有紗が謝るたびに、何よりも必要なのは”こころの強さ“だと己の胸を叩いて笑う。
それは有紗に言ったのか、紗一に言ったのか。
おそらく両者に向けての発言だろう。
でも、そのためには、どうしたらいいのか。
結局は自分こそが、この子のすべてをしっかり受け止めて愛してあげるしかないのでは。
自分のせい、とかそんなのではない。
兎にも角にもこの子の母親は自分だけなんだと。
有紗は、小さくて弱々しいながらもしっかりと呼吸をしている我が子を見て、ようやく笑ったのだった。
それ以降、治療室に訪れる度に言っていた「ごめんね」は、生まれて来てくれて「ありがとう」に変わった。
そんな母の声が聞こえたのか、紗一の身体は安定していき、後に無事に退院する事が出来たのとだという。
しかし一難去ってまた一難、それとほぼ同時期の事である。
妹の麻莉香が有紗たちの前から姿を消したのだった。
それは誘拐されただとかそういう類のものではなく、一応連絡は付くので安否の確認はできたという。
これからは家を出て一人で暮らすとの事だった。
そしてその6年後、元気な第二子も生まれ二児の父母として幸せに暮らしていた心と有紗は、事故によりこの世を去る事となるのだった。