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WUNDERKAMMER

演じる

2018.04.03 12:36

ある平日の昼下がり、市ヶ谷駅前から九段下に向かう道を一人で歩いていた。 すると、すぐ後ろから中年男性2人が、声高に話し合いながら歩いてくる。 声はでかいし、私のすぐ後ろにぴったりくっついてくるのでうざくて、 ここはスピードアップして引き離そうと思い、歩く速度をあげた。 

ちなみに私は女にしては歩く速度がかなり速い。背もでかいから歩幅もある。 

ところがおやじ2人は全然離れない。同じ速度でついてくる。ほとんど走っているようなスピードになってもついてくる。 

・・・・・だんだん怖くなってきた。 こいつら何者?もしやこの世のものではないのでは?でも怖くて振り向けない。 だってウナジのすぐそばくらいに顔がある感じなんだもん。 


やがてある店に前まで来た時、そこのショーウインドウに映る姿を勇気を出して見てみた。 

そこに映っていたのは、私と・・・・・・・・・・おやじが一人。 

そのおやじは、一人で二役をしながら、私の後をぴったりと猛スピードでついてきていたのだった。 駅前から数百メートルの間。声色を変え、立ち位置を変えながら・・・・。