バルムンクと周辺人物
【バルムンク】
・先代帝。ブラムド・ドレイク兄弟の父。
帝国の問題児。
・『あの破綻した性格さえ除けば、
間違いなく稀代の天才だった』と
言わしめる程の実力者。
後世に受け継がれる様々な魔法を創り出したが、
同時に悪用されかねない魔法も
大量に創り出している。
・ドレイクと同様、
『金の竜眼』発現者であり
帝国の十王『ウルスラグナ』の元・継承者。
十王はブラムドが生まれる前に消失した。
【カリフ】(先代)
・バルムンクの皇帝騎士。
ブラムドの皇帝騎士とは中の人が違う。
・皇帝騎士は代替わりしても『カリフ』の名はそのまま使う。
・ただし仮面以外の衣装はゴロっと変わるのが慣例。
人に頼み事する時はやたらと愛想良い。
ちなみに借りたもんは殆ど踏み倒す。
先帝皇妃・クラウディア
・ブラムドの母親。先代バルムンクの正室。
今は皇太后となって後宮に下がっている。
・バルムンクの複数いた后の中でも
唯一頭が上がらなかった后。
穏やかで物静かな女性だが
芯が強く、恐ろしく頑固。
・皇帝バルムンクからの求婚を断り続け、
数年かけてようやく口説き落とすほど
執着を見せた相手。
・自身も優秀な魔法使いであり、
かつては【清廉のクラウディア】と呼ばれていた。
・普段は仏のように優しいが
怒らせるとめっちゃ怖い。
ブラムドも母親だけは怒らせまいと胸に誓っている。
「…私と陛下との出会いを訊かれると
いつも困ってしまいますね。
大抵、お見合いか政略結婚を予想される方と
舞踏会で一目惚れ、
なーんていうロマンチックな出会いを
期待される方がとても多くて…
【庭に落ちていた】とは…
言いにくいんですよねぇ…。」
クラウディアはバルムンク専属の抱き枕。
がっしり抱き着かれたまま寝るので
身動きが取れない奥さんと、
ホールドしてる自覚無いままぐーすか寝る旦那。
別に無理やり起きてもいいけど
そうすると旦那が起きてしまうので
本読みながら暇潰したり一緒にうとうとしたりして
寝るのに付き合ってあげてる。
若い頃のバルムンクは極度の不眠症。
人が傍にいると寝ないし
ちょっとした物音ですぐ起きる。
日中、一人になった時間の合間で数分眠る程度で
深く長く眠らない。
夜なんか特に寝ない。
なので睡眠負債が凄まじく、
不眠5日目辺りから段々と変なテンションになっていき、
最終的に突然倒れるようにして丸一日寝る。
この繰り返しなので周囲はいつもヒヤヒヤ。
が、何故かクラウディアと
二人っきりだとよく眠る。
彼女も出会った当初
よく居眠りしている本人を見て
「よく寝る人だわ」と思ったほど。
バルムンク本人にも理由はわからない。
なので出会った当初は文字通り
『寝る為』だけに彼女のもとに通ったり、
何故眠くなるのか大真面目に研究したり
データ取ったりしていた。
あまりにも眠くなるので
「なんか薬盛ってる?」と真顔で訊いて
ぶっ叩かれたことも。
そうやって頻繁に彼女の元に通うので、
周囲は二人ができてるものだと思い込み、
外堀を完全に埋められた辺りで
クラウディアが白旗をあげた、というオチ。
入眠現場はちょっとした事件。
『ラングドールの奴が妙に優しかったが
お前なんか言った?』
「いえ、特に何も。」
おそらくとてもくだらないケンカした時のふたり。
ケンカするとクラウディアが
共寝を拒むようになるので
自動的に寝不足が加算されていく
バルムンクの方が圧倒的に分が悪い。
上等だお前無しで眠ったらー!
と意気込むもののやはり眠れず
きつくなってくる3日目辺りで
結局白旗をあげる羽目になる。
独身時代より寝不足耐性が下がっているので
余計にしんどい。
一方、クラウディアはクラウディアで頑固なので
謝ってくるまで絶対拒否!
と思ってはいても
寝不足でフラフラになっていく旦那の様子と
家臣たちの無言の訴えに罪悪感が募っていき
苦悩するタイプ。
そろそろ許そうかなーどうしようかなーと
悩んでるタイミングで旦那の方からやってくるので
ついつい塩対応になってしまうツンデレ。
この後バルムンクは無事爆睡してます。
【ランクドール】
・バルムンクの数少ない友人。
幼い頃から交流がある。
・帝国に隣接する【アドゥミラ公国】の大公。
フルネームは
【ラングドーリエル・シェン=ハーストリゲン】※読み流し推奨
通称アドゥミラ公。
ラングドール、ラング、ラーリなどなどの愛称で呼ぶのは
親しい間柄の人物のみ。
・アドゥミラは代々、魔導兵器などの製造を担ってきた国で
ここで製造された戦艦や兵具の大半が
帝国に卸されている。
その功績から、名目上は【帝国属領】となっている公国だが、
実質帝国からの独立自治を維持している。
・【術具の聖地】と言われるほどの技術が結集しており、
大公自身も魔法使いであると同時に術具師であり、軍人である。
・大公の影響か、アドゥミラにいる大半の術具師は軍人なので
技術部と兵科の境があまりない。
バルムンクいわく、「インテリゴリラの国。」
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・ラングドールは両親を早く亡くし
育ての親であった祖父(先代公)も
ラングドールが8歳の時に他界した。
・この頃はまだ帝国の皇帝(バルムンクの父)も健在だった為
帝国と、自国の優秀な家臣たちの助力もあり、
なんとか公国は安定を保ってきた。
・が、二年後に皇帝が崩御。
跡継ぎである皇太子が幼い事もあって、帝国内では権力争いが勃発。
皇太子は囚われただの、殺されただのという情報も流れ、
皇帝という後ろ盾を失った公国には不穏な空気が流れた。
・しかしそれからひと月も経たない内に、
帝都の反逆者は粛正、内乱は鎮圧された。
・皇位を継承した皇帝(皇太子)が真っ先に訪れた国が
アドゥミラ公国であり、
アドゥミラ大公・ラングドール(10歳)と、
オルテギア帝国皇帝・バルムンク(7歳)の最初の出会いだった。
・お互い、幼少時に君主となった者同士なので
他国の君主よりも通じ合うものがあり、喧嘩も多いが交流は続いている。
・公国に伝わる二人の有名なエピソードとして
ラングドールが10代の頃、腹心の部下から命を狙われ
右目を失った時の話がある。
・家臣の裏切りと片目を失ったショックで
沈んでいたラングドールに対して
他の家臣はかける言葉が見つからない状態だったとき
何を思ったのか死ぬほど忙しいはずの
皇帝(バルムンク)がわざわざ訪れ
『わぁ凹んでるダッセェwwまんまとだまされてんじゃねーよバーカwww』的な
煽り文句を放ち、殺し合いのような大喧嘩に発展した。
・ヘトヘトになるまで殴り合った後、
『なんだ元気あるじゃねぇか』と
フラフラしながらバルムンクは帰国。
その時、置き土産として
視覚を補助する術具として『義眼』を残していった。
・その時の事をラングドールは、
『アイツらしいっちゃアイツらしいが、
励まし方がおかしいし頭おかしいし
未だにムカつく』
と周囲に語るが、
その時の義眼を律儀に使い続けているご本人も
だいぶおかしいと周囲は思っている。