トンネルを抜けると…!?「変身」をテーマに表現あそびをしました
4月1日におやこ絵本ワークショップを開催しました。春休みの真ん中、桜が舞う日曜日、3組の親子が集まりました。
ワークショップ開始まで、ミニライブラリー前でおしゃべり。これまで作った「みんなの絵本」(1冊目・2冊目・3冊目)を手にとって眺めている人も。
「みなさん、こんにちは! おやこ絵本ワークショップへようこそ」とナビゲーターの声が響いてスタート。今回からナビゲーターとスタッフはオレンジのエプロンとバッチをつけています。
みんなで本をつくる準備をしましょう
まずは、「じゅんびうんどう」の絵本の読み聞かせから入ります。2ヶ月に一度会う間柄、お互いのことをまだよく知りません。一緒に絵本を読みながら、みんなで本をつくる準備をするのです。
今日はヨシタケシンスケさんの『こねてのばして』。
『こねてのばして』ヨシタケシンスケ/作、ブロンズ新社
やわらかくて気持ちよさそうな絵とことばに、ふわふわが大好きな子どもたちはくぎづけ。
実際に真似するととってもおもしろいので、最後のページの「こちょこちょ」だけやってみました!
絵本づくりスタート
からだとことばがほぐれたところで、絵本づくりのスタートです。本の素は『へんしんトンネル』(あきやまただし/作・絵、金の星社)。
「知ってる!」「持ってる!」という声が上がりました。人気あるなあ。
う~ん、かっぱがうまに変身したり、怒ってる人がラッコになったっちゃったり、なんとも不思議なトンネルでした。
では、これをマネて、わたしたちも「へんしんトンネル」をかんがえてみよう!というのが今日のお題です。今回変身させるのは「〇」(白いまる)です。
「〇」(白いまる)をみんなに渡します。
~つくりかた~
- まず、白い〇をよ~く見る。
- どんなトンネルにするか考える。
「とげとげトンネル」「にこにこトンネル」「まっかトンネル」などなど。 - 思い浮かんだものを、シートに書いたり、切って貼ったりする。
- シートにパンチで穴をあけてカベに貼る。
イメージを形にし、形に名前をつける
思いつくまま、オレンジ色のクレヨンで「〇」を描いた女の子。これからどうしよう?という様子。ナビゲーターが「白い〇がオレンジ色の〇に変身したから、オレンジトンネルだね!」と言うと、続けてピンク色の〇をぐるり。「ピンクトンネル」もできました。
次々に新しいページが生まれていきます。
これは「ぼーる」トンネルに「ふるーつ」トンネル。絵もじっくり仕上げられています。
こちらは「ドラゴントンネル」と「まーぷートンネル」?「“ぱ”とか“ぷ”みたいな〇がつくやつ」と男の子。なるほど、半濁音製造トンネルというわけだね。
そろそろ、へんしんトンネルづくりも佳境です。
「丸い食べ物を思い出してみてもいいかも」というナビゲーターのヒントに、「たこやき」トンネルができました。折り紙を丸く切って貼ったトンネルも登場。
できあがったみんなの作品を壁に貼りだして、ナビゲーターと一緒にみんなで一枚ずつ見ていきます。
子どもたちそれぞれのアプローチでできあがった「へんしんトンネル」。イメージを形にし、形に名前をつける。それがトリガーとなってまたイメージがふくらみます。
トンネルが「編集」ということを、なんとなく感じてもらえたかな?
綴じて一冊の本に
さいごに全部を綴じて一冊の本にしました。みんなの力でまたひとつ絵本が増えました。
本は読むのも楽しいけど作るのも楽しいということ、感じてもらえたらうれしいな。
まもなく新学期。幼稚園から小学校へ、年中さんから年長さんへと、みんなもトンネルをぬけて大変身します。持ちものや洋服が変わって、気持ちはどう変わるのでしょう? 次回、聞かせてくださいね。
(終了後、ミニライブラリーから絵本をとって読みふける子も)
今日のワークについて
「〇」(カタチ)
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【トンネル】
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\?/(新しいカタチ)
「モノや言葉がインプットされると、アタマの中で編集が加わり、新しいモノがアウトプットされる」。すべての表現の基本の型を、トンネルのたとえで遊びながら体感しました。
入学式や進級式を経て子どもたちが新しいステージに進む時期。ワクワクとともにドキドキするシーンもあるかもしれません。親子でちょっと〈変身トンネル〉や〈もとのわたし〉を意識していると、もう一度通ったり、ちがうトンネルをくぐることで、ドキドキが乗り越えやすくなるように思います。
(松井・吉野/記)