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ギターの練習について①

2022.12.12 23:00


「ギターを手にして音を出した瞬間、『これで僕の世界を表現できる!』と思ったんだ」

10年ほど前、とあるギタリストのインタビューで聞いた言葉。

ギターを弾く人、ひいては楽器を演奏する人だったら、この言葉に代弁されるような気持ちを、一度は抱いたことがあるのでは……なんて思ったりする。


楽器を演奏することの醍醐味のひとつは、ここにあるのだと思う。


ちょうと上の取材をした頃、「四十の手習い」を地で行くように、ギターを始めた。

3.11があったばかりで、世の中は不安な空気に包まれていた。何かを我慢している暇はない。そんな気分だった。

だから、ギターを始めた。

もうひとつ言えば、音楽系の雑誌の仕事をしていて、ドレミもわからないのはどうしたものか……という思いもあった。

以前、ドラムをかじったことはあったが、ドレミを知らなくていい楽器(いや、実際はそんなことはない……)だから、というのもひとつの理由だった。

とにかく、ギターを始めた。

先生に習い、年に2回、発表会で人前で演奏する機会をもらっていた。歌も歌っていた。それが大きなモチベーションになっていた。


そのうちにコロナ禍になって、再び世の中が不安な空気になった。

外出がままならない中、どう練習のモチベーションを保っていくか考えた結果、自分の中で導き出した答えのひとつが、動画を撮ることだった。

よく、楽器演奏の上達における有効な手段のひとつとして、「練習を撮る」というのが挙げられる。演奏を後から聴き直すことによって、改善点を見つけていこうというものだ。それをやろうという訳である。

別に、「そんなの最初からやっていればもっと上達も早かったろうに」という話でもある。

まぁ、甘えていたのである。


せっかくやるなら、と自分の中で以下のようなルールを作った。


●ただの練習たれ流しではなく、何か一曲とか、そうでなくとも「ひとつの作品」のようにまとまったものにする

●自分が納得いくものが撮れるまでやるのではなく、1時間なら1時間、と「締め切り」を設けて、その中でできたものを、不完全でもいいから出す

●撮ったのなら、それを何らかのかたちで人が観れる状態にする


そうやって作った第一弾が、これである。

このときはまだ携帯のマイクを使って撮っていたが、今はPCを介して録音している。

最新のものは、これである。今年になって、ルーパーというペダルを使って、音を重ねて録るようになった。

改めて自分で観てみると、果たして今のほうがいいのだろうか、昔のものには今の自分が失ってしまったものがあるのでは、、なんて思ったりもしてしまう。

ひとまずはここまでにして、続きはまた次回に。