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office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉

奇跡のご縁!高野山宿坊「櫻池院(ようちいん)」の話

2022.12.12 20:51

直近の松江、鹿児島でのユニバーサルツーリズムセミナーで、下記の画像を使って解説をする機会がありました。

(2012年10月13日 高野山櫻池院)

お金をかけずにできるバリアフリー対応とは?

これは、食後の膳を重ねて片付けているのではなく、低い精進料理の膳を縦に重ねてテーブルにして、低い膳が苦手な外国人や足腰が不安な高齢者が食事をしやすいようにした高野山の宿坊「櫻池院」さんの配慮(心のバリアフリー)です。

私は、視覚障がい者(盲導犬)の方々と四国八十八ヶ所お遍路ツアーを4巡ご案内した経験があり、櫻池院さんには2002年、2005年、2008年、2012年と計4回お世話になっています。

2004年に高野山が世界遺産に登録されると訪れる外国人も増え、それまで宿坊のトイレは和式しかなかったのに、和式の上に設置するタイプの簡易の洋式トイレを目にしたのは2005年でした。

外国人が増えたことでその対応が高齢者にもやさしい対応になっている、こんなバリアフリー対応の生まれ方もあるんだと感じたことを思い出します。

セミナー等では、すぐにできる対応は?お金をかけずにできることは?という質問やテーマをいただきますが、「お客さまに快適に過ごしてもらうためにできること」を考えると、できることはたくさんありますね。


奇跡のご縁!750年前櫻池院には全盲の僧侶がいらっしゃった



2002年にお世話になった時から、初めて受け入れるという盲導犬の受入れも丁寧に対応いただき宿坊の客間、広間(食事)だけではなく、朝のお勤めの際には本堂で盲導犬も一緒に般若心経をお唱えさせてもらいました。

住職曰く、「お寺1000年の歴史の中で犬が本堂におるんは、初めてかもしれんねぇ」

そんな視覚障がい者にやさしい宿坊ですが、2008年3度目の訪問の際に「こんなことある?」というような事実を教えていただきました。

私たちが訪問する直前に毎日新聞社が発行する点字新聞「点字毎日」(創刊1922年・大正11年)に櫻池院さんのことが記事になっていて、なんと、750年前の鎌倉時代に高野山を統括する要職につかれていた恵深(えじん)という僧侶がこの櫻池院にいたというのです!

以下は、当時の櫻池院だよりのリンクを貼らせていただきご紹介します。

<伝説の隣人たち -櫻池院の恵深住持->

高野山櫻池院①

<盲導犬との出会い2008>

高野山櫻池院②

数ある高野山の宿坊の中で、たまたま予約をしてお世話になった宿坊がこんなかたちで視覚障がい者とのご縁があったとは。


身体障害者補助犬法成立から20年

2002年5月22日に法律が成立して今年で20年となりますが、残念ながらいまだに受入れを拒否する事業者がいたり、コロナ禍においては医療機関が拒否をしたというニュースも目にしました。

政府広報<体に障害のある人の目や耳や手足となって働く 「身体障害者補助犬」への理解を深めましょう>(2021.5.21)

改めて法律をしっかり理解し、誰もが旅行を楽しめる環境を作っていきたいものです。

(5月22日が私の誕生日というのもご縁を感じています)


office FUCHI 〜オフィス・フチ〜では長年携わった視覚障がい者ツアーの経験から、観光事業者(宿泊、交通、観光施設、飲食)の方々に

・身体障害者補助犬法の解説

・障害者差別解消法の解説

・実際のツアーの画像等を交えた受入れ対応の解説

など理解から受入れまでアドバイスさせていただきます。ご相談はお問合せフォームからどうぞ。