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(こ)個別注記表の記載方法。

2022.12.13 00:10

昨日、5回目のワクチン接種でした。

長文です。

適当に、読み飛ばして下さい。

(こ)今日は、決算書作成に関連して、

個別注記表の記載方法。

を、書いてみたいと考えます。


個別注記表とは

個別注記表とは、会社を経営する上の、会社法と会社計算規則により、

貸借対照表、

損益計算書、

株主資本等変動計算書

と併せて作成が義務付けられています。

これらの書類をまとめて一般的に決算書と呼んでいます。

ただし、

法人税法施行規則第35条では、

主に、

貸借対照表、

損益計算書、

株主資本等変動計算書、

勘定科目内訳明細書、

事業概況説明書が提出書類とされており、

個別注記表は明記されていません。

しかしながら、

会社法では、作成が義務付けられている書類です。

中小企業の会計に関する指針では、個別注記表次のように説明しています。

会社計算規則では、重要な会計方針に係る事項に関する注記等の項目に区分し て、個別注記表を表示するよう要求されています。

また、他に、

貸借対照表、損益計算書及び株主資本等変動計算書により会社の財産又は損益の状態を正確に判断するために必要な事項は注記しなければならない。とも、されています。

前提条件ですので、

ああだこうだと、書いてみました。


さて、さて、

個別注記表に注記すべき事項については、以下のように「19」挙げられています。

また会社の形態により注記を要しない項目が規定されています。

①会計監査人設置会社以外の株式会社(公開会社を除く。)・・・多くの中小企業

②会計監査人設置会社以外の公開会社・・・大会社

③合同会社、合資会社のような持分会社

注記を要求される項目○

注記を要求されない項目×

上記項 目 ① ② ③

(1) 継続企業の前提に関する注記 × × ×←① ② ③

(2) 重要な会計方針に係る事項に関する注記 ○ ○ ○

(3) 会計方針の変更に関する注記 ○ ○ ○

(4) 表示方法の変更に関する注記 ○ ○ ○

(5) 会計上の見積りの変更に関する注記 × × ×

(6) 誤謬の訂正に関する注記 ○ ○ ○

(7) 貸借対照表に関する注記 × ○ ×

(8) 損益計算書に関する注記 × ○ ×

(9) 株主資本等変動計算書に関する注記 ○ ○ ×

 (10) 税効果会計に関する注記 × ○ ×

 (11) リースにより使用する固定資産に関する注記 × ○ ×

 (12) 金融商品に関する注記 × ○ ×

 (13) 賃貸等不動産に関する注記 × ○ ×

 (14) 持分法損益等に関する注記 × × ×

 (15) 関連当事者との取引に関する注記 × ○ ×

 (16) 一株当たり情報に関する注記 × ○ ×

 (17) 重要な後発事象に関する注記 × ○ ×

 (18) 連結配当規制適用会社に関する注記 × × ×

 (19) その他の注記 ○ ○ ○


たいていの方は、上記①または③です。

主に関係するのは株式会社であれば(2)と(9)だけで、合同会社等の持分会社では(2)だけです。


≪個別注記表の記載例≫

    個別注記表

自〇年〇月〇日 至〇年〇月〇日

1.この計算書類は、「中小企業の会計に関する指針」によって作成しております。

2.重要な会計方針に係る事項

(1)資産の評価基準及び評価方法

①有価証券の評価基準及び評価方法

総平均法による原価法を採用しております。

② 棚卸資産の評価基準及び評価方法

商品・・・総平均法による原価法を採用しております。

原材料・・・最終仕入原価法を採用しております。

(2)固定資産の減価償却の方法

① 有形固定資産

定率法(ただし、平成 10 年4月1日以降に取得した建物(附属設備を除く。)は定額法)を採用しております。

② 無形固定資産

定額法を採用しております。

(3)引当金の計上基準

①貸倒引当金

債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権について法人税法の規定による法定繰入率により計上しております。

②賞与引当金

従業員の賞与支給に備えるため、支給見込額の当期負担分を計上しております。

③退職給付引当金

従業員の退職給付に備えるため、退職金規程に基づく期末要支給額により計上しております。

(4)その他計算書類の作成のための基本となる重要な事項

①リース取引の処理方法

リース物件の所有権が借主に移転するもの以外のファイナンス・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理によっております。

なお、未経過リース料総額は、〇〇〇円であります。

②消費税等の会計処理

消費税等の会計処理は、税込方式(または税抜方式)によっております。

3.株主資本等変動計算書に関する注記

(1)当該事業年度の末日における発行済株式の数 ・・・ 〇〇〇株

(2)当該事業年度の末日における自己株式の数 ・・・ 〇〇〇株

(3)当該事業年度中に行った剰余金の配当に関する事項  ・・・ 該当なし

(4)当該事業年度の末日後に行う剰余金の配当に関する事項 ・・・ 該当なし



こんな、感じです。



それでは、書き方を確認していきましょう。

1 中小企業の会計に関する指針

1の「この計算書類は「中小企業の会計に関する指針」によって作成しています。」という文言ですが、この指針を一度も読んだことがない方は削除してください。

文言どおり、この指針に従っている場合のみ記載します。

つまり、貸倒引当金や未償却残高がありながら減価償却費を計上していなかったり、消費税の経理処理が税抜でなければその時点で従っていないことになります。

2 ⑴①有価証券の評価基準及び評価方法

有価証券を保有していて、税務署に届出をしていない場合は表現はそのままになります。

つまり、税務上の法定評価方法が記載のとおりだからです。

つまり税務署に有価証券の評価に関する届出をしていなければ前述の注記表の記載例のとおりに評価していなければなりません。

有価証券を保有していなければ①の部分はすべて削除します。

2 ⑴②棚卸資産の評価基準及び評価方法

期末に棚卸資産※があり、税務署に届出をしていない場合は表現はそのままです。

これも法定評価方法が最終仕入原価法になっているからです。

※棚卸資産とは、商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等の資産であり、企業がその営業目的を達成するために所有し、

かつ、売却を予定する資産のほか、売却を予定しない資産であっても、販売活動及び一般管理活動において短期間に消費される事務用消耗品費等も含まれます。

(参考)実務では棚卸資産の評価方法はたった1つ「最終仕入原価法」だけです。

棚卸資産が期末になければ②の部分はすべて削除します。

2 ⑵固定資産の減価償却の方法

固定資産を保有しており、税務署に届出をしていない場合は表現はそのままです。

これも法定償却方法が記載のとおりなので、記載のとおりに償却する必要があります。

(参考)法定償却方法とは

固定資産を保有していない場合は⑵の部分は削除します。

2 ⑶引当金の計上基準

引当金については法定繰入率ではなく、実績繰入率で求めている等記載内容と異なる箇所があれば訂正しましょう。

記載の引当金を計上していなければ削除します。

2 ⑷その他計算書類の作成のための基本となる重要事項

消費税の部分はどの会社も該当しますので、ここは必ず記載することになります。

ちなみに免税事業者は税込経理方式と決まっています。

リース取引がある場合は所有権移転外リース取引を売買として処理している場合はそのように変更します。

変更がなければそのままで、該当がなければ削除しましょう。

3 会計方針の変更

会計方針の変更があれば記載例を参考にその内容を記載します。

4 株主資本等変動計算書に関する注記

合同会社や合名会社等の持分会社はこの注記は不要です。

⑴の部分は株式会社であれば必ず記載が必要になる部分です。



一般的には、

様式は、書くことが多いです。

例えば、有価証券や固定資産、引当金、リース取引がなければ、消費税の経理処理と普通株式の数だけ書いて終わっているものも、あります。

個別注記表の記載方法おわかり頂けましたでしょうか?