【ブログ】北村将大［SO］ 「チームは同じ方向を向けている」

北村将大［SO］

「チームは同じ方向を向けている」

　昨季まで5シーズン、チームの司令塔を務めた愛称クランチこと、ライオネル・クロニエが退団。新たな10番をめぐって、ティアーン・ファルコン、ルーキー丸山凜太朗、2年目の北村将大がし烈な争いを繰り広げている。

　それぞれに長所がある中、北村の持ち味は、判断力。加入１年目から「判断に間違いのない選手」と馬場美喜男アシスタントコーチから評価を受けていた。

　本人も「プレシーズンマッチでは、オーガナイズしながら、アタックでチームを前に出すことが出来るようになりました」と手応えを感じ取る。

　その素地は高校時代に培われた。神戸で生まれ、ノエビアスタジアムの近くで育った。高校は御所実に憧れ神戸から奈良へ。竹田寛行監督の家に下宿し、学校に通った。

「そこで一緒に試合のビデオを観ながら、色々アドバイスをもらったことが生きてると思います」

　恩師は10代の司令塔にいろいろな助言を授けた。「もうちょっと、フィールドを縦に使ったら」「ここのエリアはこういうマネジメントをした方が」。

　小２の頃、西神戸RSで楕円球を手に。家の近くのノエスタに神戸製鋼の試合を観に行き「将来は自分もラグビー選手になる」と思い描いた。高校３年間は、そのジャンピングボードだった。

「高校まで、そこまで深くラグビーを考えてプレーしていなかった。竹田先生と、そういう話をするのがすごく楽しくて、新しい発見というか、頭を使ってラグビーをする楽しさを教えてもらいました」

　高校卒業後は帝京大で揉まれ、「尊敬している先輩が活躍していたので」トヨタへ。子供のころの夢を実現させた。少年時代、憧れたのはダン・カーター（NZ代表SO）。

「どんな状況であっても素早い判断、スキルの高さ、キックの精度。憧れでもあったし、目指すべきところ」

　まさに正統派の司令塔。チーム内のポジション争いも、「それぞれにタイプが違う。比較するのではなく、いかに自分の力を出せるか。あとは、もっと自分を伸ばすところにフォーカスしています」と視線を定める。

「今、チーム内で切磋琢磨できていると思います。きつい状況でお互い高めあえて、同じ方向を向けている」

　今季、リーグワンで次々と頭角を現している日本人司令塔に名乗りをあげる。