映画『羊の木』
『羊の木』
監督:吉田大八
脚本:香川まさひと
原作:山上たつひろ、いがらしみきお
音楽:山口龍夫
出演:錦戸亮/
木村文乃/北村一輝/優香/市川実日子/水澤慎吾/田中泯/
松田龍平
2月、公開だったけど…
こんっなにも機会を逃してしまってて。
渋谷での上映が明日まで。
明日はいけないから、滑り込みで観てきた。
冒頭、ちょっと見逃しちゃった。
原作の部分に、いがらしみきおさんて、驚きでした。
【ぼのぼの】の原作者さん。
【羊の木】の原作漫画は、第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した作品。
うおお、ここ最近行ってなかったから見落としてた。
小説だとばかり思ってたから、印象的に意外。
読んでみたいな。
元殺人犯の受刑者6人。
政府の極秘新プロジェクトとしての一環で施行都市として、とある港町に10年移住することに。
この受け入れの際、6人の前科は勿論秘密。
ただの新しい入居者、
のハズなのに。
見た目から、肌で感じて反応してしまうこと。
それが1人ではなく、きっと周りの人達も同じ感覚だったなら合わせてしまう、同調。
彼らの過去の情報を知っただけで、
なぜ、自分の中でその人を創り上げてしまうんだろ。
子供の時の方が無知ゆえに、今目の前にいる"その人"しか見なかった。
でもその瞬間、その時だけは、今のその人だけでいいし。
何をそんなに恐がってしまうんだろうかと考えてた。
私はもともと育った環境下に、色んな人種がいたもんで。笑)
小さい頃から人への壁ってものが薄かったらしい。
というか無さすぎて親は心配してたけど。
今現代だったら確実に自ら誘拐されてるわ←
今も、情報が入ったところで"その人の特徴"的にしか捉えられないんだけど。
聞いた一瞬は、きっと構えてしまう。
でも、でも、
クリーニング屋のおかみさん演じた安藤玉恵さんのような人だって、いるんだ。
あぁいう人に出会って、価値観はまたきっと変わってゆく気がする。
過去のことを「だから何?」と思える心。
あぁいう人、素敵よね。
最後は少し不気味で、スリリングで。
もしかしたら、映画よりも小説や漫画の方が、ある種フィクション性の気味悪さがしっくりきたかも。
とはいえ、ドキリと、
ハラハラとした演出。
エンターテイメント性と思えば観やすかった。
常々思うんだけど、やっぱり1番怖いのは人間、だよな。
自分を含めて。
1人に絞って行く前に、もう少し他の5人の生活も、観てみたかったな。
SNSが普及してる今、顔も見えない相手がいて。
自分の中で、人が創り上げられて。
昔のように、空っぽな頭で人と接することは、現代では危ないことなのかなぁ。
なんだか、少し寂しくなる。