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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

第3回十字軍9-獅子心王キプロス征服

2018.04.05 12:50

皇帝の予期せぬ崩御に「これぞアラーの加護」とイスラム軍はおおいに喜んだ。結局大将が居ないので大半は帰国してしまい、なんとか次男のレオポルトが6千人だけまとめて聖地に向かった。そして第2陣が英王リチャードと仏王フィリップの微妙なコンビである。

二人は領土から出発してイタリアはメッシーナで落ち合う約束をしていた。ところがその場所で英王には別の用事もあった。彼の妹が簒奪した現領主によって幽閉されていたのである。リチャードは騎士道が先にあってその上での十字軍である。当然許しておけず、戦いになった。

結局それで年を越してしまい、1191年今度は母アリエノールが自分の選んだ息子の婚約者を連れてやってきたのだ。実は英王は仏王フィリップの姉と婚約していた。母はそれはフィリップが英仏を乗っ取る計画と考え、十字軍中で結婚させられる前に先手を取ったのだ。

さすがにやってられず、仏王は別行動で先発してしまう。英王はといえば、妹と新婚約者を連れて出発した。ところがこの女性を乗せた船が進路を誤り、キプロスに漂着。現地王に捕まる。そこでまたリチャードは、許せぬ!とキプロスを征服。ついでに風光明美なこの島で新婚旅行もやっちゃったのだ。