FUJIFILM X-T3買った話
2022年、年の瀬のことだった
具合が悪かったので行きつけの病院へ
向かった
我々カメラ好きが定期的に患う病
病名は
「なんかバカみたいに安いミラーレス買って適当レンズで遊びたいよね病」
なお処方箋は「FUJIFILM X-T3」となった
おふざけ終了
FUJIFILM X-T3
さて、FUJIFILMのX-T3である
APS-Cサイズで2610万画素のミラーレスカメラ
筆者が普段仕事で使うカメラは主にCanon 5D4
私自身久々のレンズ交換式ミラーレスカメラだ、最後に買ったミラーレスは初代α7
ちなみに私はLeica M型をミラーレスと呼ぶ過激派ではない
話をXシリーズに戻して、
初代にあたるX-T1は2014年登場、搭載センサーは「X-Trans™ CMOS II」で1630万画素となる
その後、2016年にX-T2を発売、センサーは「X-Trans™ CMOS Ⅲ」となり2430万画素となった
そして本記事紹介のX-T3は「X-Trans™ CMOS 4」の2610万画素で2018年に登場した
こちらはXシリーズ初の裏面照射型となった
(今気付いたが、何故かここでセンサーのナンバリングがⅢ→4とアラビア数字に変わった)
このように2年スパンでリニューアルされるX-Tシリーズは2020年にT4、2022年にT5が登場している
X-Tシリーズ
個人的にカメラに求めるスペックとは、「デザイン性」と「まともな操作性」が大きなファクターを占める
X-Tシリーズ全般に言えるメリットの一つだが、絞り、シャッタースピード、ISO感度がそれぞれ独立した専用ダイヤルを持つカメラは割と少ない、
Fnボタンも合計6個、タッチパネルのジェスチャーファンクションが4個、その他にも背面ダイヤルとAE-L、AF-Lにも割当が可能
合計13点のキーを割り当てができる、
人それぞれ好きな機能が物理的な操作で即座に呼び出せる
そしてそれらの操作系がこのデザインの中に収まっている
このデザインの方向性ははLeicaに通ずる物があると思う
↑こちらもISO、絞り、シャッタースピードの物理ボタンを備える
Leicaにも同じ様なことが言えるが、X-Tシリーズは初代から5代目まで中身は違えど見た目の変化は恐ろしく少ない
T1やT2などのナンバリングを隠されたらぱっと見ではほとんど区別がつかないだろう
激戦区のAPS-Cミラーレスとして確固たる地位を気付き上げたX-Tシリーズ
これらのネオレトロなデザインは今後も続くだろう
また、X-Tシリーズからさらに現代カメラとして性能を高めたのがX-Hシリーズ、より嗜好性を高めて尖らせたのがX-Proシリーズとなる
最新機種X-T5との差
前述のように2022年現在、X-Tシリーズの最新機種はT5となる
読者の方は
「何で最新機種買わなかったの?」
と思われるだろう
「金がなかったのか?」とも思うだろう
そう、金がなかったのだ
正確に言うと仕事で使用してペイできる確率の低い、趣味性の高いカメラに払う金がなかったのだ
さて、
少しばかりT3とT5の差を書こうと思う
T3は2018年9月発売でT5は2022年11月発売、
4年の開きがあるが、その進化は妥当かそれ以上といえよう
キタムラで展示品を触った感想を私なりに買いてみようと思う
私なりに感じた大きな異差は下記の通り
・解像度
・手ぶれ補正機構
・撮影可能枚数
T5では4020万画素になるがT3は2610万画素と共に裏面照射型ながら、大きな差がつけられている
当然、トリミング耐性は段違い
T3世代の手ぶれ補正はレンズ内蔵式を採用している、T5ではセンサーシフト式を採用、
7段分の手ぶれ補正機構を搭載している、オールドレンズやライカレンズにX-Tを母艦にする人も多いだろう、そんな人にはM型に搭載されていないボディ内手ぶれ補正は是非とも欲しいところだろう
そして、消費電力改善により、撮影可能枚数がT3で390枚からT5で580枚に伸びている
普段Leica M10を使っているのもあるが、T3を使っててバッテリーの消費早いなと感じることが多い
何故T3?
私は、X100Fと言うコンパクトデジタルカメラを使用していた
学生時代だったので5年ほど前になるだろうか、
X100FがハイブリッドビューファインダというOVFとEVFの切り替え機構があるのをいい事に、モニターを隠して使っていた
その際の記事はこちら、5年も前の記事なのでブログの方向性が定まっておらず、なんとも稚拙な記事になっているので、それなりの覚悟を持ってご覧いただきたい
X100Fのセンサーは「X-Trans™ CMOS Ⅲ」なので、T3の1世代前のものだが、私はこのセンサーの絵作りが非常に好みだった
T3を買う際も、「センサーはX100Fの上位互換」という認識が背中を押した
また、T3とT4は2610万画素の「X-Trans™ CMOS 4」という同じ世代のセンサーを、クアッドコアの「X-Processor 4」という同じ世代の映像エンジンを搭載している
こちらもまた「T3よりも新しいT4と同じセンサーとエンジン」という認識がT3購入の背中を押した
T4はT3から所々アップデートされている、特に大きな違いはボディ内手ぶれ補正機構だろう
残念ながらキタムラにはT4の在庫が無かったので「T3かT4か問題」は深く考えなかったが、同じセンサーで手ぶれ補正ぐらいしか大きな違いがないのであれば、人によってはT3でいいのかもしれない
そして、冒頭にも買いたとおりT3の良さはコスパの高さにある
私はキタムラで購入したが、フリマサイト等で10万円程度で入手できる
T5が発売された今日、T3やT4の市場在庫は更に増えると予想される
一応X-T5も購入候補だったが、発売直後ということもあり、在庫は愚か入荷未定の状態
コスパの件もあり、最終的に選ばれたのはT3となった
使用用途
端的に遊び用
ディテール
価格帯の割に質感は高く感じる
常用最低感度は160となり、拡張時に80の設定が可能
これにより明るいレンズでも開放で撮れる幅が広がった
背面液晶はチルト式で104万ドット
横方向に傾けることも可能
SDカードスロットは2枚差しが出来る使用になっている
レンズ毎の作例
・XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
キタムラにて、ボディと一緒に購入した標準ズームレンズ
価格3.5万円ほどでキットレンズにもなっている
4段分の手ぶれ補正機構を内蔵、W端で全長70mmとコンパクトながらT端でもf4の明るさを誇る
中庸な写りではあるが解像度は申し分ない、強いて言うのであればW端開放時の周辺描写はやや甘いか
・Leica Summilux 50mm f1.4 ASPH
開放時はLeica M10での使用時に比べてかなり甘い、
M10のセンサーはLeicaレンズに合わせて設計されており、マイクロチップ等が国産カメラとは大きく異なる
が、ここまで描写が違うとは思わなかった
とはいえ流石にLeica
ハマった時の描写は目を見張るものがある
購入時のレビューはこちら
・宮崎光学 APORIA 24/2
ライカMマウントで距離計連動機構を備える偉いレンズ、マウントアダプタを使用しても、後に紹介するTTArtisanの25/2より小さい
中央付近はサイズ感からは考えられない切れ味の描写をする
購入時のレビューはこちら
・TTArtisan 25/2
レンズは即座にカートに吸い込まれていった
換算37mm前後でしっくりくる画角
8000円とは思えないコントラストと描写力
ただし、湾曲収差と周辺減光がやや気になる
↑ ACROS V2 Red filter
おまけ
物撮りカットのライティング
職場にあったカゴ台車にLEDくっ付けてiPhoneで撮っている
ちなみに背景の布はスタッフさんが着ていた黒いコート
バイク撮影
駅近くの駐車場にてSUZUKIのGSX-R250を撮影
レンズは先ほど紹介したキットレンズのXF18-55
まずは三脚に据えて素材カット撮影
ライトはNANLITEのPavoTube Ⅱ 6C
三脚はAOKAのKN225C
設定はISO160、f5.6、8秒
ライトレビューはこちら
詳しい合成写真解説はこちら
背景は電車が差し掛かった瞬間を収めた
LrにてプロファイルはクラシックネガV2を当てて現像、
その後にiPad版のPhotoshopで合成して色味を調整したら完成
旧式のセンサーとキットレンズとはいえ十分な絵が得られている
まとめ
様々なレンズでテストカットを撮っていて
ISO感度も3200ぐらいまでなら許容できる範囲に感じた
AFをテストする機会は少なかったが、発売時期を考えるとまずまずといった印象、
オールドライクな俊逸デザインと基礎が詰まった操作系
2世代前とは言え、一般人なら十分な解像度、
FUJIFILMお家芸、フィルムシュミレーションによる他社にはない絵作り
コンパクトでバッグを圧縮しない機動性、オールドレンズの母艦としても使用でき、大陸製格安レンズで遊ぶもよし、
それが10万円程度で手に入るなら割と良い買い物だと思う