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人の一生を左右する乳幼児期の愛着形成の大切さ

2018.04.06 01:18

   精神科医の岡田尊司先生の著書「愛着障害~子ども時代を引きずる人々~」(光文社新書)は、今の荒廃した日本社会を改善するうえで、実に示唆に富んだ多くの情報を提供してくれます。

  なぜ岡田氏が「愛着」の考え方を重要視するのか、氏の著書からその理由についてお話しします。

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母子間の「愛の絆」作りは1歳半までがベスト

「愛着」とは、母親と子どもの心の中に形成される「愛の絆」のことである。

   乳幼児期、特に愛着形成が最もスムーズに行われる0歳から1歳半の間に適切な養育(母親がいつも近くにいて適切な愛情行為で接すること)を受けた子供は母親との間に愛着を形成することができる。


愛着がもたらす母親という「安全基地」

   愛着を形成するということは、子どもが母親のことを「この人が自分が困った時に必ず助けてくれる、自分にとって特別な人」と信頼することであるが、それは母親という「安全基地」を得ることを意味する。何かストレスを抱えた時には、その「安全基地」に避難して心の傷を癒すことができる。


母親という「特別な一人」の存在の大切さ

   また、愛着を形成をするうえでは、子供が社会に適合する上での第一歩となる「特別な一人(オンリーワン)」の存在が重要になる。一般的には母親がその役割を果たし、それ以外の人間が養育しても愛着の形成は行われにくいとされる。

   その一方で、上記の1歳半の間に、保育所等の施設に預けられるなどして、「特別な一人(オンリーワン)」の存在を得られなかった子供は、自分にとっての「安全基地」を持てなくなる場合がある。「安全基地」を持てないということは、溜まったストレスを解消できなくなるために、非常に不安定な精神状態に陥り、後に紹介するような様々な問題行動を引き起こすことになる。この状態に陥った人を一般的には「愛着障害」と呼ぶ。


 ◯人の一生に影響を与える愛着

   しかも、この愛着は「第二の遺伝子」と呼ばれ、その人の生活の様々な面について、一生にわたって影響を及ぼす。“生活の様々な面”とは、例えば、人間関係能力、知能、自立性、異性関係、結婚生活、各種依存症、身体的健康、更には寿命に至るまで多岐にわたる。

   つまり、安定した愛着が形成された子供は、成長するにつれて、これらの“生活の様々な面”において、安定した結果や成果を収める。逆に、愛着が十分に形成されなかった子供は、“様々な問題”を引き起こす確率が高くなる。それが、愛着不全が引き起こす問題現象として最も危惧される点である。

   その“様々な問題”とは、例えば、いじめ、不登校、ひきこもり、非行、家庭内暴力、恋愛・結婚回避、セックスレス、離婚、薬物依存、家族内殺人等、昨今毎日ニュースで報道される凄惨な問題ばかりである。

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  なお、愛着が不安定な状態を、一般的には「愛着障害」と呼んでいますが、あくまで環境による後天的な要因によるものですので、本サイトでは「愛着不全」と呼ぶことにします。