Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

愛着形成 及び 愛着形成のやり直しの方法「愛着7」

2018.04.06 01:25

愛着を形成する為の“適切な愛情行為”とは

   前々回の記事の中で、「乳幼児期、特に愛着形成が最もスムーズに行われる0歳から1歳半の間に適切な養育(母親がいつも近くにいて“適切な愛情行為”で接すること)を受けた子供は母親との間に愛着を形成することができる。」と紹介しました。この中で言う“適切な愛情行為”とはどんな行為なのでしょう?


愛着形成の具体的な方法「愛着7」

   前回紹介した岡田氏はもちろん、その他の愛着理論の専門家5人各氏の提案する「愛着」形成の仕方を比較してみたところ、彼らに共通する点は主に以下の7つの事柄でした。子供との「愛着」を形成するための以下の7つの愛情行為を「愛着7(セブン)」と命名したいと思います。

  〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜

乳幼児期(特に1歳半まで)に親が子どもの近くにいて、子供の表情に反応して養育に当たる

   赤ちゃんは、いつも自分のそばで見守ってくれ、必要な助けを与えてくれる母親に対してのみ、「自分が何かで困った時には、この人がすぐに助けに来てくれる」という“特別の信頼感”を抱くようになります。

スキンシップを図る

   “抱っこ”こそが、子どもにとっての「安心の原点」であると同時に、母子間の「愛着(愛の絆)」を安定させるうえで最も重要な愛情行為であると言われています。また、“抱っこ”以外にも、“頭をなでる”“じゃれ合う”“背中を優しくふれる”等さまざまなやり方があります。

子供を見て微笑む

   お母さんに「自分のことをもっと見て欲しい」と強く願う子供にとって、「見る」という行為は、子供に「愛情を注ぐ」行為と同じ意味を持ちます。

   また母親の笑顔は、子供の自己肯定感を高めると同時に、次の五つの力を引き出すと言われています。「笑顔が増える」「自信がつく」「積極的になれる」「友達と仲良くできる」「家族の交流が親密になる」

子供に穏やかな口調で話しかける

   親が何の気なく使う、子供に対する強く否定的な言葉(「うるさい!」「はやくしなさい!」「何回同じことを言わせるの!」等)も、被害的な意識を子供に刷り込み、安心感を損なわせます。その結果、本来子供にとっての「安全基地」となるはずの母親は逆に「危険基地」となり、子供のストレスは溜まっていく一方です。思春期頃になると、そのストレスを親に向けて爆発させ、“ひきこもり”等の大きな問題に発展することもあります。

子供の話をうなずきながら聞く(共感する)

   子供は失敗する生き物です。たとえ子どもに“非”がある話でも、叱らずに「よく話してくれたね。」「つらかったでしょう」と受け止めることが大切です。この時に厳しく叱ってしまうと、子どもはストレスを溜め、自分の非を隠したり、嘘をついたり、自分からは全く会話をしなくなったりします。叱るのは、同じ失敗を何度も繰り返した時で十分遅くありません。

小さなことから褒める

⚫︎子どもの様々な側面の中から特に優れている点を見つけて褒めましょう。(「さすがは○○さん、やさしいね。」「さすがは○○君、生き物に詳しいね。」等)

⚫︎その子供の“以前”と比べてよくなった点を見つけて褒めましょう。(「前よりも○点よくなったね。」「先週よりも忘れ物が○回減ったね。」等)

⚫︎当たり前の事を当たり前にする行為は褒めるに値する行為です。その事を褒めましょう。特に、普段は当たり前にできない事が多い子供にとっては尚更です。(「ドアをきちんと閉めてえらいね」「使ったものをきちんと片付けてえらいね」「『おはよう』がきちんと言えてえらいね」等)

⚫︎子供が注意されてその後直せたら褒めましょう。注意されてからと言えども、自分の悪いところを直せたということは褒めるに値する行為です。(「お母さん見てるから、もう一度やってごらん」⇨「ほら、できたじゃない!」等)

⚫︎教えた事ができたら褒めましょう。子供に丁寧に教えて、それが新たにできるようになったら褒めましょう。(「教えた通りにできたね!」等)

⚫︎子供が何かをやり始めたら、できるだけ早く褒めましょう。やり始めのうちは、子供もまだ落ち着いているので褒めるチャンスです。崩れる前に褒める事ができれば、子供の意欲は上がります。(「さっそくがんばってるね!」「始めの◯問、全部できてる!」等)

以上の中でやると決めたものは、気分でやったりやらなかったりしない

   親のその場の気分や都合で子供への対応が変わると、子供は「あれ?お母さんのお世話がこの前と違うよ。次はどうなるの?」と不安になり、それがストレスとなります。①〜⑥の中で、やろうと決めたことは出来るだけいつも心がけましょう。

 〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜

愛着形成は“やり直し”ができる

   愛着形成が最もスムーズに行われる時期は生後1歳半までと言われています。しかし、愛着は生まれた後の生活環境によって形作られるものなので、その時期に愛着を形成できなかった場合でも、生活環境(母親の関わり方)を適切なものに変えることによって、子供がある程度育ってからでも愛着形成の“やり直し”をすることができます。その場合は、上記の「愛着7」と同じ接し方をします。ただしその場合、①については、「子どもを見守る」と捉えてください。

   また、“やり直し”をする場合、気をつけなければならないのは、「②スキンシップ」に関わることです。いわゆる「赤ちゃん返り」と言う言葉もありますが、10歳を過ぎた子供でも、まるで幼児のようにベタベタと抱きついたり、抱っこをせがんできたりする場合があります。この時に「もう赤ちゃんじゃないんだから…」と、子供からのスキンシップの要望を断わると、子供は「自分は拒絶された」と意識してしまい、“育て直し”が失敗することがよくあるそうです。子供がどんな甘え方をしてこようとも、その気持ちを受け止めてあげる必要があります。


愛着形成は“量”より“質”

   以上の方法を日常的に意識すれば、効果的に子供との「愛着」を形成することができます。たとえ短い時間でも、子供と接する時に常に「愛着7」を意識して接すれば大丈夫です。子育ては“量”より“質”なのです。


「愛着7」は精神的に不安定になっている子どもを安心・安定に導く

   なお、この「愛着7」の②〜⑥は、愛着形成だけでなく、安定した愛着を持った子どもであっても、何らかのトラブルによってストレスを抱え精神的に不安定になっている子どもがいれば、その子を安心・安定に導くうえでも効果があるということが専門家によって指摘されています。