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こどもの にほんご

攻略法という児童書

2023.01.09 23:00

小学館には、私も娘もとてもお世話になりました。

「小学◯年生」学習雑誌は、昭和の子どもだった私は毎月買ってもらって読みましたし、娘もイタリアへ送ってもらって、6年間毎月届くのを楽しみにしていました。

娘が読んでいたのを見て、自分の子供時代よりかなり学習雑誌の学習の要素が薄れ、ファッションやゲームソフト、アニメのパンフレットに近い紙面になっているとは感じましたが、それでも、ドラえもんで漢字や九九を覚えることなどが楽しく紹介されていました。

児童書、学習雑誌の出版社としての歴史も実力もある小学館から、下のような児童書と銘打った本が出版されていることを最近知りました。

出版業界も不景気であることは承知していますが、これはさすがにひどいと感じます。

まず、世の中が何であるかさえの知識も経験もない小学生に「攻略法」を与えることが理解できません。

この二人の著者の人選を見ていると、ちょっとくらいズルしてもお金持ちになったら勝ちと言う思想しか透けてきませんが、それは教育なのでしょうか。

世の中をギリギリ罪にならないグレーな方法でうまく渡った者が勝ち、大金を手にした者が勝ちとでも教えたいのでしょうか。

大金が行き交うビジネスの世界は、清濁合わせ飲むような人間でないと成功者になれないのであれば、それに関しては、せめて義務教育を終えてから知りたい人だけ学べば良いことではないでしょうか。わざわざ児童書にする意味がどこにあるのでしょう。

私ももちろん、我が子に人より損して、一生貧乏で苦労して生きてほしいとは思いません。

けれども、多額の損害賠償金を踏み倒し中で、巧妙な資産隠しを指摘されている人やインサイダー取引で逮捕歴のある相場師を小学生のメンターにするのは、学習漫画の出版社として非常識と言われても仕方ないと思いますし、我が子にこの本を買い与えようとは思わないでしょう。

お二人とも頭の回転の早い人だと思いますし、人より秀でている才覚があったから富を築けたとは思いますが、小学生に勧められる人物かどうかは甚だ疑問です。

どうか小学館の編集の方々には、考えを改めてもらいたいと思います。

成人し働いている娘とこの話をしたところ、「今は日本から逃げて海外に住んでる人に攻略法って言われてもなぁ。こんなの真にうける小学生いたらあかんやろ。小狡いことして大金持ちになっても、人に指南できるような人生じゃないやん」と冷ややかな意見でした。

「それってあなたの感想ですよね?」を承知で、思うことを書いてみました。