令和4年度大谷竹次郎賞に『赤穂義士外伝の内 荒川十太夫』が決定しました。
2022.12.15 18:42
令和4年度大谷竹次郎賞に『赤穂義士外伝の内 荒川十太夫』が決定しました。竹柴潤一先生の脚本です。2022年12月13日付けで歌舞伎公式ホームページ「歌舞伎 on the web」で発表されました。
荒川十太夫というのは、事務局池田元の10代前のご先祖様です。赤穂義士の切腹を介助する介錯人(かいしゃくにん)を務めました。
『荒川十太夫』は赤穂義士伝300席のうちのひとつです。最近では、講談師神田松鯉(人間国宝)やその弟子で人気講談師の神田伯山が好んで読んでいます。それを知った歌舞伎役者の尾上松緑が講談をもとにした新作歌舞伎『赤穂義士外伝の内 荒川十太夫』をこの10月(2022年)、歌舞伎座で上演しました。
堀部安兵衛は、高田馬場の仇討でも有名な人物です。切腹の際、後ろで刀を構える荒川十太夫を振り返った安兵衛が「ご身分は」と尋ねると、十太夫は「ご心配なく」と答えました。
しかし安兵衛はじっとこちらを見つめたままでした。そこで仕方なく「お馬廻役二百石でござる」と十太夫は告げました。
本当は、徒歩目付、十二石三人扶持でしたが、そのような低い身分では、堀部家の恥になると考えたのでした。そのときのとっさの気配りに、十太夫は藩主から褒美を授かっています。
物語は、その堀部安兵衛の七回忌(亡くなってから6年後)、荒川十太夫が安兵衛の眠る泉岳寺(東京都港区高輪)に参った帰り道、図らずも自分の上役と会ってしまうところから始まります。
了
2022.12.16
事務局|正倉一文