深川木場 ーふかがわきばー
2022.12.18 07:51
歌川広重名所江戸百景・冬の部より
深川木場 ーふかがわきばー
水彩にて / 模写絵師つねきち
深川は材木問屋がたくさんあった場所で
大きな材木たちを筏にして
隅田川にのせ運んでいました。
凍るような寒さの中
蓑を着た人夫たちが
長い竿を使い材木を流しています。
元の浮世絵では
ぼかしがふんだんに使われた川を
つねきちは細筆一本で
大切に幾度も塗り込め
遠くまで続く、深い水路を表現しました。
二匹の雀たちが
江戸のやさしい雪景色を
楽しむように飛んでいます。
下の方では犬も二匹。
この時代、犬や猫は自由に歩き回り
人々に可愛がられていたのでしょう。
ほのぼのとした光景です。
地面や木々、屋根、材木
そして置かれた番傘にも
しんしんと降り積もる雪。
寒くて立っていられない
そんな光景のはずですが
ふんわりとした温かみさえ
感じられる作品です。
端正な筆線を見つめていると
何となく、心がととのう。
そんな、つねきち画風の面白みを
満喫して頂ける一枚となりました。