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琉球大学Bluegrass同好会

カナダ編EP2-後半-

2018.04.07 05:55

・ジャスパーへ

 ロッキー山脈の山々に麓に位置するジャスパーというところに相棒のバンで向かいます。大量の毛布に管さんからお借りしたバーナーとベッドをツッコミいざ出発。一昨日までの大雪が嘘のように快晴な空に背中を押されます。アメリカ横断以来の長距離移動で初日は8時間ほど運転し、途中の Clearwaterというところで一晩過ごします。外の気温を確認すると-32℃。外で料理を始めますが寒すぎて手が踊りだします。なんとか片付けまで終わらせ、床につきますが足先が寒すぎて眠れません。さすがにまずいということでしばらく暖機運転をし室内をあたためアルコールを入れて速攻で毛布イン。朝起きると車内に残ってたアルコールやら水が凍ってしまっていました。そしてさらに4時間ほど走ると最初の目的地であるジャスパーに到着。到着して『うぉー』というよりもそれまでの道のりが本当に夢のような世界。好きな音楽を掛けながら艶美にそびえ立つロッキー山脈に向かう一本道を爽快に突っ走るのはめちゃくちゃ気持ちいもんです。そして適当にジャスパーの街を観光しているとどこからともなくブルーグラスの音楽が、中に入ってみるとカントリー好きのおばちゃんが経営するお土産やさん。そこで立ち話しながら過ごしていると日本人の方が入って来てペコリ。思わず頭を下げて2秒後『あれ?』なんと日本人の知り合いに。世界って狭いですね、なんて思いませんがさすがに驚きました。そしてその方も1人旅をしてて同行したいということで急遽、逆ヒッチハイク。翌々日から行動を共にすることに。しかし今思えば彼女の行動力はなかなか凄いです。わざわざ取っていた列車のチケットをキャンセルしてまでこんな過酷な、口が滑りました、こんな快適なゴールドトレインという名の豪華列車(車)に乗車したわけですから。その夜は満天の星空の中、適当に山の方に車を走らせるとそこには天然のスケートリングが。つまりは湖が凍ってその上をリンク状にしてるんです。そしてそのバックに薄暗くロッキー山脈が見え真夜中に1人。いままでにないくらい超ハイテンションでそのリンクの上をスライディングしまくりながらずっーと山を眺めていました。

・カナディアンロッキー

 ここジャスパーやバンフは夏の観光客はすごいみたいですが冬はそうでもないみたいです。そりゃそうですよね、今回は運良く来れましたがそもそも道路が閉鎖されることもしばしば。でも逆に冬限定のアクティビティもあるんです、それが今回参加したアイスウォークと呼ばれるもので凍った滝を目指して氷結した川の上を歩くんです。もちろんそんな経験はじめてで楽しかったです。観光客が少ないからこその静かな小さい町はいいですね。そんな中での寒さってなんか嫌なもんじゃないですよ。


・バンフ

 新たな仲間も加わり次に向かうはバンフというさらに4時間ほど走らせた先にある超有名な観光地。到着後は別行動、さすがにあの狭い中で極寒のサバイバルは危険ということで彼女は町のホステルへ。2日後にピックアップということでお別れ。自分はここで温泉に入りに行きます。熊本の趣のある渋い温泉もいいですが、こんな大自然に囲まれたなかで入る温泉もいいもんですね。また夜は車を少し走らせ山の方に入って駐車、とあるトレッキングコースの中へ。おそらく夏はトレッキングコースなんでしょうが冬は雪でもって道筋が見えません。なんとなく進んで行きます。ここで今まで感じたことない怖さ。それが熊です。見たい気持ちもありますが冗談ではすまないレベルですよね。そんな熊に怯えながらも進む先にちょっとした岩肌の丘が。満月の下で湖を見渡したあの絶景は最高なひと時でした。そして帰ろうとした時に誤算が。雪でコースが見えないのはわかってましたが、自分の足跡まで見失ってしまいました。その時の格好で野外1泊は凍死します。あせりながら、熊に怯えながらなんとか30分くらい歩いたでしょうか、やっと道路にでることができ車まで戻り一安心。あんまり無茶はダメですね。もう危ないことはしません!キャンプ場に行きステーキを外で焼きながら満天の星空の中で晩飯。最高です。ちなみにここで書かせていただきますが、自分がこんなことやってるのは確実に今しかできないとわかってるからです。もちろん小さい頃からキャンプとかサバイバルとか好きですし、何よりも自分の感性が1番冴えます。ただそんなことよりも、未来を考えた時に絶対的に今しかこのような経験はできないと確信しているからです。こんなことを自分の奥さんや子どもとはできません。その時はきちんとロッジを借りたりするでしょう笑。正直アメリカ横断の時も今回もなかなか大変できついです、ただ日頃の感謝にもつながり、人間らしさを感じます。ある意味での時間の先行投資ですね。別に自分がドMというわけではなく、つらいもんはつらいですよ笑。そして僕は旅人という意識はありませんし旅人ではないです。まぁバックパッカーの方々からするとそりゃそうだ甘いわ!なんて言われそうですが笑。ただ『人生は旅』なんて言いますが...うーんなんかぐるぐる回ってきました。人生とは旅なんですか?なんか微妙に言葉のチョイスとして違う気が、もしくは何か足りない気がしますね僕は。みなさんはいかがですか?

・帰省

 さぁ無事にいろいろと終わり、最後にお土産でも買おうとお店の横に駐車していたら時間オーバーだったらしく違反切符が。せっかくの節約がー、なんてあんまり思いませんが、ある意味でいいオチの思い出を買うことができました笑。その後、宿泊場までピックアップしてから一気にもとのペンティクトンまで戻ります。長い道のりの中もおしゃべり相手がいると楽しいものですね、ずっと話も途切れることなく良い冬の旅でした。



・ペンティクトンの冬

 夏のペンティクトンは湖でのビーチや自然のアクティビティの他にワイナリーやお祭り事そしてもちろんブルーグラスのフェスなどのイベントが開催されて賑やかな町ですが、冬もスキーだったりアイスホッケー、さらにはこっちで組んだバンドでバーやイベントに参加し演奏したりと冬も十分に楽しいとこオカナガンです。そして新たに教会に通うということが人生のアクセントとして加わります。クリスチャンだから絶対に行かないといけないというわけではないですが、もちろん意識を高める他に自分としては非常に英語の勉強になります。というのも海外には英語を学ぶために来たわけではないですが、ブルーグラスを学ぶツールとして必要です。是非とも今から海外留学する人で英語を学びたい方にオススメですよ。これこそ本当の海外体験だと思います。また教会の方々はものすごいいい人たちばかりなのでネイティヴのお友達を作りたい方もいい機会になるのではないでしょうか。今回はものすごく光栄なことにその教会のWorship songを演奏するバンドに入れていただき、そこではマンドリンを弾いていました。またテネシー出発の前にも最後にブルーグラスバンドで演奏したバーで偶然来ていたワイナリーのマネージャーの方に声をかけていただき、夏にそちらでの演奏の機会もいただけるということで。ちゃんちゃん。

・お店計画

 仕事の中でも毎日管さんのビジネスに関するお話や、実際にトラベルシューティングをしてみて学んだり、他の従業員や街の人たちとの会話、そしてなるべく外食をしたりと日頃から着々と自分のお店計画を練って行き、ある程度の概要ができたところでパワーポイントを作成し管さんにお時間を作っていただき発表することに...。ことごとくやられました笑。しかし、もしも今回の発表で『これならいけるね!』って答えられていたらそれはそれでまだ若干23歳の若造のガキが調子に乗っていたことでしょう。いい意味で鼻を折っていただけました。さらに改善、そして根本を見直す作業が始まるのでした。


テネシーに向けて

 さぁいよいよ、3回目のナッシュビルです。今回の目的は冒頭にも書いたようズバリ、ブルーグラスギターを学ぶ事。大学入学してしばらくしてギターを手に取ったわけなんですが、この約4年間、ずっと独学でやってきたわけです。そして昨年のカナダのフェスで同じ世代のMollyとのジャムで魅せられて以来、さらに高みを、そして何と言っても自分のスタイルを求めたくなりました。別にプロミュージシャンを目指す考えは全くありません。ただただ最高の趣味に、たかが趣味にこれほどまでの情熱と人生をかけてます。なんで?って方はアメリカ横断編の記事の最後にブルーグラスの魅力について書いてますのでご覧ください。でも、このブルーグラスをしているというアイデンティティがあるだけで、どれだけ今回の留学でコミュニケーションを計れ、英語の上達につながり、素晴らしい人々に出会い、多くの恩恵を受けて来たことか。初めましての挨拶では名前と日本人であるのとブルーグラスをしているという3セットが必ず出来上がってます。こういうものって大事ですよね。ということでそのまま続きます。


人生における幸せって?

 みなさんは今現在、幸せですか?人生における幸せとはなんでしょう?成功すること、お金持ちになること、有名になること、好きな人と一緒にいること、誰かから尊敬されること。幸せの捉え方なんて人によって違いますよね、例えば自分がホームレスだった時はその日にご飯が食べれるだけでとても幸せでした。でも今はご飯を食べるなんて当たり前、もはや幸せではなくなっているんです。ではそんな中でも常に変化しないものとは一体なんでしょう?これは菅さんに教えていただいたことですが、人生における幸せとは『自分が何をしている時が幸せかを知っていること』。つまり僕の場合は3度の飯よりブルーグラスが大好きでこれはホームレスだろうが大金持ちになろうが変わらないわけです。だから僕はどんな時でも幸せだし、よく周りの友達から『行動力あるね』なんて言われますが、全ての基盤はこのブルーグラスにあるわけです。逆を言うと菅さんに言われるまでは自分自身でも気づきませんでした。それは幸せを感じていて求めていなかったからでしょう。みなさんも自分自身が何が好きか知っていますか?しかしそれが少しずれた依存にはなっていないでしょうか?『私の生きがいは自分の子どもです、彼氏です』それって響きは似てますが同じ幸せのベクトルは向いてないのではないかと感じます。カップル・夫婦関係と同じでお互いがお互いを向いてると悪いところばかり見えてきますが、お互いが同じ方向を向くことで試行錯誤しながら高みを目指した満足のいく関係が築けるのかもしれませんね。というわけでたまに出るシリアスとも君のコーナーでした。

 それでは自分のスタイルを見つけるためにまたもアメリカに飛ぶのでした。