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MAGUNA/MAGUNA-RS 1994

2018.04.07 09:03

MAGUNA/MAGUNA-RS 1994y

 ホンダというメーカーは、いったん命名した名前を折りにつけ復活させる傾向がある。マグナもその1台。V4エンジンを初めて搭載したパフォーマンスアメリカンの初代VF750マグナ、マッチョきわまりない4本マフラーの2代目V45マグナときて、現在のマグナ/マグナRSは、3代目にあたるモデルになる。

 初代から現行モデルまで、ハイパワーエンジンが生み出す豪快な加速と押し出しの効いたデザインという、首尾一貫した作りが施されているのがマグナの特長だ。エンジンの鼓動を全身に感じながらゆったりライディングを楽しむ、というイメージが強いアメリカンバイクのなかでは、かなり個性的なシリーズと言えるだろう。

 現行マグナのV4エンジンは、旧型VFR750Fの水冷DOHC・V型4気筒エンジンをリファインしたもの。もちろん、アメリカンらしくクロームメッキを多用したお化粧が施されているし、出力特性もトルク型にリセッティングされてはいるが、基本的にはロードスポーツ系のフィーリング。75psのパワーを9、000rpmという高回転で絞り出し、回せば回すほど真価を発揮するうえ、振動が少なくサウンドも野太い連続音。ピックアップのよさも自慢のひとつで、ひとたびスロットルをひねれば強力なトルクとシャープな伸びが瞬時に沸き起こり、乾燥重量228kgのボディを豪快に加速させる。ゆったりと流すライディングも十分以上にこなしてくれるとはいえ、つねに加減速を繰り返すほうが面白いし、キビキビした身のこなしこそがエキサイティングな性格だ。

 ハンドリングはやや慣れが必要なタイプ。ホイールベースが1、660mmと長大だから直進安定性が文句なしなのは当然だが、ハードに走らせても思いのほか切れ味のいい旋回性を発揮してくれる。だから、混雑した街中でもストレスを感じなくて済むし、ときにはワインディングに持ち込んでもいいかな、という気にさせられる。低いシート高と重心、収まりがよく開放的なライディングポジションも、スポーティライディングのための重要な要素として機能している。

 ボディデザインは、いわゆるドラッグアメリカンのカテゴリーに属する。地を這うように低く長く構えながら、巨大なエンジンと太いタイヤで弾丸のように突き進む、という例の奴だ。ただ、マグナが他のドラッグアメリカンと異なるのは、ドラッグの基本を踏まえながらも、一種独特な雰囲気を醸し出している点にある。

 極太のバーハンドルやグッと寝かされたフロントフォーク、前17インチ/後15インチのキャストホイール、低いサドルシートなど、オーソドックスなアイテムがたくさん取り入れられてはいるものの、それぞれのパーツはわざと微妙にアンバランスな配置、形状に仕立てられる。サイドから眺めてみると、バイク全体が弓なりに跳ね上がっているように感じられるのではないだろうか。居心地の悪い、と言ってしまうと誤解されそうだが、どこか引っ掛かりのある、それでいて迫力も気品も忘れていないという不思議なスタイルだ。ワルキューレを筆頭に、ホンダは新しいアメリカンの提案に熱心だが、マグナのデザインからは、そんな意気込みが如実に見て取れる。

 ベーシックモデルのマグナに対し、よりスポーティな雰囲気を重視しているのがマグナRS。美しいツートーンカラーに塗り分けられたガソリンタンクと、いかにも速そうなビキニカウルが装着され、嫌が応にも走りの誘惑をかきたててくれる。メカニズムやスペックはベースモデルと同様だ。


MAGUNA/RS 1994y

エンジン:水冷 4サイクルDOHC 4バルブV型 4気筒 総排気量:748cc ボア&ストローク:70.0×48.6mm 圧縮比:10.5 最高出力:75ps/9,000rpm 最大トルク:6.6kg-m/7,000rpm 始動方式:セル クラッチ:湿式多板 変速機: 5段(1:2.846 2:1.882 3:1.450 4:1.227 5:1.035 )全長:2,365 全幅:850 全高:1,135/1,190 地上高:155 軸間距離:1,660 シート高:710mm 重量:228/229kg 燃料タンク容量:13  キャスター:32°00′トレール:137mm タイヤサイズ:(f)120/80-17 (r)150/80-15 価格:83万 9千円/85万 9千円