サーキュラーエコノミーへの取り組み
10月、米国のバイオ技術会社、ランザテック社と共同開発の契約を締結しました。
この技術が成就し社会へ貢献できるようになるには、少し時間がかかると思われますが、将来の住友理工グループのことを考え、進めることにしました。
本共同開発の目的は、持続可能(サステナブル)な社会の実現へ向けた取り組みを加速することです。
「当社グループで排出するゴムなどの廃棄物を、微生物の力で有用な化学物質に変えることで、資源を無駄にせず循環させよう」という研究です。
これは、循環型経済(サーキュラーエコノミー)といって、従来の「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」に加え、新たな資源の投入や消費をできるかぎり抑えるようにしたうえで、資源・製品価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物発生の抑止を目指すものです。
サーキュラーエコノミーの工程
当社グループは、事業活動の中で、ゴム・樹脂・ウレタンを原材料としたさまざまな製品を製造しています。
その製造工程や自動車の寿命にともなう廃棄部品の発生などを原因として、廃棄物が出てしまいます。
ランザテック社が有する「微生物による生合成技術」を活用し、ゴム・樹脂・ウレタン廃棄物をガス化・ガス精製した後、微生物による培養を経て、新たに化学物質のイソプレン(ゴム原料)を生産することを目指します(上図)。
ゆくゆくは、原料メーカーと協業し、イソプレンおよびエタノールを再び、ゴム・樹脂として利用するリサイクル技術の応用も視野に入れています。
本当に理想とするところは、われわれの防振ゴムやホースなどの製品が、寿命を迎えた後に、この技術を応用することで、また新たな防振ゴムやホースに生まれ変わる世界の実現ですね。
また、本工程によって廃棄物が大幅に削減されることにともない、焼却処理工程なども減少するので、カーボンニュートラルの実現にも貢献すると予測しています。
サステナブルな社会に向けた取り組みを
このように、持続可能な社会の実現のため、そしてその社会で住友理工グループが選ばれる企業であり続けるために、新しい技術開発にも力を入れていきます。
一方で、従来の3Rについても、非常に重要な活動です。
日々の会社内での企業活動だけではなく、プライベートな時間においても、環境保全に貢献するために、私たち一人ひとりが自分たちにできることから取り組んでいく必要があると思います。
プレスリリース:住友理工と LanzaTech、ゴム・樹脂・ウレタン廃棄物の再利用に関する共同開発契約を締結~サーキュラーエコノミーの実現に貢献~
https://www.sumitomoriko.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2022/11/n51910660.pdf