【コメント】タテイシヒロシさん
2018年、何かの用事で鴨江アートセンターに遊びに行った時のこと。
当時4歳だった娘がトコトコ走り出して夏帆さんの参加している二人展の会場に入らなければ、こういう付き合いは生まれませんでした。
失礼ながらその時に観た作品の印象は薄く、漠然とした作品のイメージは掴んでいるけれど、記憶の中のピントが絞り込めれません。
その後個展のDMをいただき、それほど高くないモチベーションで観に行った『Where I am.』から、作品に対しても夏帆さんに対しても、自分の中で完全にピントが当たった気がしました。
娘が作ってくれた一本の糸のような出会いは、この作品を機に太い綱になり、この作家をずっと追ってみようと思う気持ちに変わっていきます。
って、お前の立場はなんなんだって感じですね。
浜松を中心にした若手のアーティストを『趣味で』観察して言葉にしている人間です。
ただの趣味人間です。タテイシヒロシと申します。どうぞよろしくお願いします。
作品が作家の道筋を作っていく。作家の想いを一直線で伝える表現方法を身につけた夏帆さんの作品からは、大きな自信を感じました。
「好き」ということに対してのエネルギー。それは作品だけでなく、個展の見せ方、SNSでの発信。そこに迷いはなく『観てもらいたい』ということに対して真っ直ぐに向き合い、進化していくスピード。
ちょっと目を離すと大きな個展をやっていたりしてビックリしていましたが、今回の『ハママツKeep on Lovingプロジェクト』の話を聞いた時に、驚きと同時に納得をしました。
今回のトークイベントやワークショップ、インタビューでもハッキリしましましたが、「私だけ」の世界じゃない「みんなで楽しむ事の先に価値がある」という人なのだと思います。
『好き』という言葉は簡単です。
たったの2文字のキーワード。簡単過ぎて軽薄に思われるかもしれない。
それでも丁寧に丁寧に『好き』を大事にしようと、夏帆さんは言葉を投げかけてくれます。
実は今回のプロジェクトに、タテイシはずっと関わらせて頂いたのですが、その言葉に救われ続けながらも、針で心を刺すような気持ちでもいました。
非常に個人的なことではありますが、「好き」を蔑ろにして心を壊しかけているところです。「好き」に対して矛盾する事を続けるとこれほどの傷が広がるんだと、身をもって感じました。
割と多くの人が、人生を送る中で「そんなの無理だよ」って小さな呪いを受けてきて、大人になった時に「好き」を物置の奥にしまって忘れたフリをしているのではないでしょうか。
自分の”無理″を子供の”人生”に押し付けているのではないでしょうか。
自分の「好き」
子供の「好き」
友達の「好き」
恋人の「好き」
色々な人の「好き」を大事にして、自分の「好き」を大事にしてもらえる。
おぉ〜! 無敵じゃん‼︎
お金を稼ぐとかじゃなくてもいい。自分が自分でいられる、そういう事があればいい。
「好きなこと」を大事にできる社会ができたら、きっと素敵な世界になる。
ハママツKeep on Loving.
ニホンKeep on Loving.
セカイKeep on Loving.
夢が広がりますね。
夏帆さん、ありがとう。
タテイシヒロシ
グラフィックデザイナーの傍ら、街で起こることを観察し文章にすることをライフワークとしている。
その他にアングラ芝居の誘致、町ブラ観光イベントの開催などを企画・制作。
ウェブサイトJimottomall管理人(https://www.jimottomall.com/)
https://www.instagram.com/tateishihiroshi/
カメラマン / 福長ひろき https://instagram.com/fkch_jp?igshid=YmMyMTA2M2Y=