ネコちゃんロボットのUXデザイン
昨今、配膳ロボットを導入したファミリーレストランが増えました。ロボットとはいいますが要するに自律走行型配膳ワゴンです。ロボットに手足はなく、客が自分でワゴンの棚から料理を取ります。
人間の店員と比べて明らかに劣ったサービスしか提供できない配膳ロボットですが、不思議と不快感は覚えません。その理由は「猫型ロボットだから」だと考えます。 ロボット筐体上端には猫耳をイメージした突起があり、顔に相当する液晶パネルにはマンガ調のネコの顔が映っています。会話はできませんが可愛い声でアナウンスすることもできます。猫の持つ可愛らしさ・自由気ままさのイメージを借りる事で「猫だから仕方ない」と客に思わせる巧妙なデザインだと言えます。
物理的なロボット店員だけでなく画面を経由した接客にも同様の動きがあります。先日ローソンが、遠隔地にいる店員がアバター(キャラクター)の姿で接客する実験店舗を開業すると発表しました。遠隔接客はロボットとは別の形の接客省力化であり、アバターもまた外見状の工夫によって新しい接客形態を社会に受容してもらおうとする試みと考えられます。
高齢化と人口減少の進む現代日本でロボットが社会に受容されるために、「ロボットの可愛らしさの演出」はUXデザインの重要なテーマになり得ると考えます。今後の進展に期待します。
「ガスト」「しゃぶ葉」1,000 店以上にロボット導入|すかいらーくグループ : https://www.skylark.co.jp/company/news/press_release/pk637h000006gkn3-att/211018_Robot_at_Gusto_Syabuyo.pdf
ローソン×AVITA アバター活用で協業開始!|ローソン
: https://www.lawson.co.jp/lab/tsuushin/art/1458363_4659.html